[職場闘争]髭を生やすかどうかは個人の自由!〜大阪市同様の日本知的障害者福祉協会事務局のお寒い人権感覚〜

2018年6月27日(水)に行われた不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第3回調査で、日本知的障害者福祉協会は、申立人組合員が髭を生やしていることから「会員の前には出せない」と、業務外しをされても当然と言わんばかりの馬鹿げた主張を行った。この件については以前の記事で、「ひげ」裁判で原告勝訴した判例も例示し、批判させてもらった。

此処に来てまた画期的な「ひげ」裁判の判決が報じられた。
2019年1月16日、髭を生やしていることでマイナス人事評価を受けた大阪市営地下鉄の運転士が大阪市に対して計450万円の損害賠償を求めた訴訟で、計44万円の支払いを命じる判決が大阪地裁で下されたのだ(「ひげ禁止訴訟で運転士勝訴、大阪市に44万円賠償命令」共同通信 2019年1月16日15時45分)。

報道によると、大阪市交通局(当時)の「身だしなみ基準」(内規)では、整えているか否かに拘らず、男性職員の髭を禁止しているとのこと。
大阪地裁裁判長は本件判決理由で、「髭を理由にした考課の減点は裁量権の逸脱で違法」「(髭は)個人的自由に属し、着脱不能で、服務規律で制限すれば私生活に影響が出る」とし、大阪市*が髭の形状を問わず一律に禁じることは規律の合理的限界を超えるとした(ひげで不当な考課「違法」大阪市に44万円賠償命令日本経済新聞 2019年1月16日19時3分)。

* 以前取り上げた、橋下徹の大阪市職員労働組合への攻撃に関する関連記事はこちら

片や、協会には大阪市交通局の様な内規すらない。あればやってもいい訳では無いのはこれまでの「ひげ」裁判で自明だが、協会のその勝手な言い草は、完全に管理職連中の個人的な価値観や好悪感情の押し付け(この手の話は協会事務局では枚挙に暇が無い)と組合敵視、組合員排除の思惑以外の何物でも無いのだ。

都労委第3回調査でも、公労使三者委員は「そんなこと言っていましたが、髭を生やしている人も多いですし、個人の自由ですから、気にしないでください」と、驚き呆れ顔の(そんなこと言われたことがなかったからねぇ…)当該組合員を慰める始末だった。

それにしても、橋下大阪市政といい、協会といい、労働者の権利に無理解・鈍感な輩のやることはどこも一緒だね。そのお寒い人権感覚の持ち主らが幅を利かせている現状に、司法が公正な判断を下したことは、そのような輩にとって痛撃の一打となったことだろう。

さて、協会はこの判決をどう考え、労働委員会の場で言い放った与太話にどう折り合いを付けるつもりなのだろうか?
これについては後々追及させてもらおう。こちらも場合によっては訴訟も辞さないつもりだ。

しかし、当該としては、原告の素敵な髭の運転士さん程、自らの髭に深い愛着がある訳ではない。依って、協会がそう言うのならば、協会がこれまでの不当労働行為を謝罪し、真に反省し改めることを条件に、つるつるに髭を剃ってやってもいいぜ? そういう和解条件はどうかね?君達。(笑…冗談です)

…The end

[職場闘争]髭を生やすかどうかは個人の自由!〜大阪市同様の日本知的障害者福祉協会事務局のお寒い人権感覚〜」への2件のフィードバック

  1. 林武文

    容姿を主観的好悪で評価して不利益処遇するなど、協会は福祉を語る資格があるのかと思いますね。知的障害当事者だって色んな容姿の人がいますよ。昨年日の出福祉園で開催したシンポジウム「当事者の話を聞いて、みんなで考える会」には、シンポジストの当事者の方が女装で参加しました。自分らしく地域で暮らす一歩としてカミングアウトしました。

    協会管理職がそのシンポに参加していたら・・・創造するだに恐ろしいですね。

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    1. jaidunion

      コメントありがとうございます。
      髭面についての好き嫌いまでどうこう言うつもりはありませんが、こんな馬鹿げたことを恥ずかし気もなく、第三者機関で言い張れるってことは、自分たちの「常識」が世の常識だと思っているってことでしょう?その感性が信じられません。偏見・差別は無知・無理解から生まれる。日本知的障害者福祉協会事務局がそんな有り様でいいのでしょうか。
      日の出福祉園さんで行われた「当事者の話を聞いて、みんなで考える会」シンポジウムなど、理解できないばかりか、企画段階で潰しにかかるでしょうね、おそらく。困ったもんです。

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