投稿者「jaidunion」のアーカイブ

[職場闘争]第12回団交報告 part 2 〜就業規則変更案から窺える日本知的障害者福祉協会事務局の人間観〜

前回団交報告記事part 1に続くpart 2では、就業規則変更案に係る交渉の経過を記し、更に続くpart 3において、当該組合員による理論的・思想的批判を展開する予定である。
交渉過程を見て行こう。

2.就業規則 第3条2

2020年11月27日の協会の回答(以下、回答と略)では、「職員は、本会の公共的使命を理解するとともに、この規則を守り上司の命令に忠実に従って事務局の秩序を維持し相互に協力してその職責を遂行するよう務めなければならない。」「忠実に」を削除するとのことであった。

前回団交では、一般的な就業規則にも見られるこの条項は、労働基準法第2条に明文化されている、労使対等原則に基づき、労使双方が就業規則及び労働契約にのみ拘束されることを規定したものであることを示し、「上司の命令」などという属人的で恣意的な命令に「忠実に」(有無を言わさず)従うことを明記することは、法の趣旨に反することを主張した。
この様な規定があることによって、これまでの実例も挙げ、末吉事務局長や水内事業課課長代理が規定にも無い様な、個人的な価値観やその場の気分で己の独善的な考えを「業務命令」と称して、その理由や根拠を尋ねても答えずに「部下」に押し付けてくることが度々あったこと。職場の円滑な業務遂行に混乱を齎し、職員の業務への主体的な取り組み意欲を阻害する上に、「上司」という職位を背景にした職場のハラスメント問題の根本原因であることを指摘したところだった。

よって、この条項については、協会が公益法人であることに鑑み、百歩譲って「本会の公共的使命を理解するとともに」(勿論、これは労働者側だけでなく使用者側にも言えることだ)は許容するとしても、「上司の命令」以下の文言を削除し、「職員は、本会の公共的使命を理解し、この規則を遵守しなければならない。」に改めることを要求した。 続きを読む

[職場闘争]第12回団交報告 part 1 〜いつものことながら、事務局長・末吉は団交から逃亡/非正規職員の就業規則・労働条件について〜

2021年1月20日(水)17:30から、日本知的障害者福祉協会と南部労組・福祉協会との第12回団体交渉が協会事務局の入っているKDX浜松町ビルの裏手にある浜松町TSビルにあるビジョンセンター浜松町 4階 K会議室で行われた。

協会側の団交参加者は、O常任理事・協会顧問弁護士・古屋総務課課長・三浦政策企画課長(兼事業課長)の4名。組合側の団交団は当該含め南部労組5名。
組合側団交団5名の内1名は、これまでも“書記”として参加してくださった、東京都・日の出福祉園(社会福祉法人同愛会東京事業本部の運営する知的障害者の入所施設・協会会員施設)の職員労働組合「ゆにおん同愛会」のH執行委員長で、本団交に先達て、個人として東京南部労働者組合に加入、特別執行委員に就任頂いた。

いつものことながら、事務局長・末吉は団交から逃亡

毎度(第3回団交以降)のことだが、今回も事務局長の末吉は団交から逃亡。本団交当日も彼はフツーに協会事務所に勤務していたことから、一応、「なぜ、末吉が出て来ない?」と質したところ、「末吉が出なくても足る」と、これまでと同じ回答。
本団交前日の都労委第21回調査では、協会によると、末吉は労働委員会での争いが続いていることに心を痛めて、已む無く“特殊な事情”を明らかにした…らしいのだが、本気で早期の争議終結を望んでいるのならば、見苦しい泣き言をタラタラ言ってないで、自身が団交に出席するのが一番の早道である。

毎回毎回、団交報告に同じ事を記しているので、本組合掲示板ブログをご覧の方々も「またか…」と飽きてきたかと思うし、そもそも、当該自身も飽き飽きしているのだが、2013年の末吉事務局長(当時は事務局次長)の当該組合員への暴行・暴言・パワハラ事件は未解決のままだし、規程上でも実質的にも権限を持たない常任理事や中間管理職が出て来ても、事務局の人事・労務管理責任者が団交に出て来ないなどという、責任逃れや責任隠しは断じて容認できるものではない。今後も協会が対応を改めない限り、しつこく追及させてもらう。 続きを読む

[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第21回調査報告 & 第22回調査告知

不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第21回調査が、2021年1月19日(火)10:30から東京都労働委員会審問室において行われた。協会側は協会顧問弁護士とO常任理事、古屋総務課長、三浦政策企画課長(兼事業課長)。我々組合側は当該組合員の他、南部労組の仲間4名が集まってくれた。

前回調査で、協会は事務局長の末吉には団体交渉に出れない“特殊な事情”があると突然言い出し、その根拠を提出という段取りだったが、事前に我が組合には送付されず、本調査当日になって労働委員会に提出。その内容を労働委員会委員が我々に伝えるという形で進行した。

労働委員会委員から伝えられた彼の“特殊な事情”なるものは、他言しないで欲しいということだったので、敢えてここで信義則に反してまでも詳らかにはしないが、別に秘密にする必要があるのかね?逆に隠す方が問題あるんじゃないか?…とは思うところだった。それに団体交渉に出られない明確な理由にもなっていない。
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[告知]第12回団交日程が決まる

前回、2020年11月11日(水)の第11回団体交渉で時間切れになってしまい、協議できなかった議題を12月中に行なうこととし、11月20日付で「団体交渉開催要求書」を協会に送ったが、11月27日の協会からの回答では組合提案の団交日程には応じられないとして、年を越した2021年1月の日程が提案された。と、同時に第11回団交で協会が持ち帰り検討となった事項についての回答も添付されていた。

添付されていた回答は団体交渉での協議事項について、組合要求の全てではなかったが就業規則等の変更案に検討・改善が図られた箇所もあったので、ある程度の前進は見せたといえる。が、本質的に変わっていないところもあり、この回答を受けて更なる前進を図ることができるかどうかも、他の議題も含めて第12回団交に掛かっている。

12回団体交渉の日程は以下の通り。

【日 時】2021年1月20日(水)17:30~
【会 場】ビジョンセンター浜松町 4階 K会議室
     〒105-0013 東京都港区浜松町2-8-14 浜松町TSビル

そして、団交議題は以下の通り。

(1)就業規則等変更について
(2)労働者代表選出の在り方について
(3)福祉協会事件(都労委平成30年不第15号不当労働行為救済申立事件)において、和解となった争点2(不利益取扱い・支配介入)について、その後の貴会の遵守・履行状況について
(4)その他労働条件について
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映画評「GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生」〜教育機会と識字率について〜

私の祖母(1897年-1990年)は字の読み書きが満足にできませんでした。私の田舎では祖母と同世代のお婆さん達も同様だったと思います(お爺さん達はわかりません)。地域差もあるでしょうが、義務教育である尋常小学校は当時からあったとはいえ、「明治」期の田舎に住む女性は十分な教育機会から排除されていたのでしょう。祖母の死後、遺品を整理していたら、小学生用の国語のドリルとノートを見つけ、歳を取っても読み書きの手習いをしていたことがわかりました。

そんな個人的な思い出もあり、識字率向上のためにアフリカ諸国を題材にした啓発映画は多いのですが、現在劇場公開中のパスカル・プリッソン(Pascal Plisson)監督の映画「GOGO(ゴゴ) 94歳の小学生」(原題“GOGO”)を観ました。

GOGO ©Ladybirds Cinena

この映画は、ケニア奥地の小さな村に住んでいる94歳のプリシラ・ステナイ(Priscilah Sitienei)氏が小学校卒業を目指して、子供達と一緒に小学校に通い、勉強しながら、通学困難な児童のための寄宿舎を建設する様子を描くドキュメンタリーです。子供達には部族の言語で「ゴゴ」(カレンジン語で“おばあちゃん”という意味らしい)の愛称で呼ばれ、一緒に勉学に励みます。 続きを読む

謹賀新年 〜Happy new year 2021〜

First sunrise of the new year 2021

あけましておめでとうございます Happy new year 2021

旧年中は我が組合への多大なるご支援をいただき厚く御礼申し上げます
本年も引き続きご厚情賜りますようお願い申し上げます

We much appreciate that a lot of workers and people supported our union in 2020. Furthermore, we hope we would be supported by everyone continuously in 2021.

生きづらさを抱えるみなさん、闘う労働者のみなさんの前進と勝利、そして、戦争や搾取、差別、雇用不安のない平和な社会が世界に訪れますように!

We will try to promote treatment and welfare for workers and for people with disabilities. Let’s fight against war, exploitation, discrimination and unstable employment, and build a peaceful world. Unite!

2021年1月1日 Jan. 1st, 2021

東京南部労働者組合・日本知的障害者福祉協会
組合員一同

The branch labor union for secretariats of Japanese Association on Intellectual Disability(JAID union/Nambu Roso)
All union members

[職場闘争]12・28協会前情宣行動 〜“年末恒例!2020” 仕事納め情宣〜

2020年12月28日(月)、天気予報は雨予想で、当日朝は小雨がパラついていた。しかし、情宣開始時には雨も上がり、12月にしては比較的暖かな朝になった。
今日は多くの職場で仕事納め。協会事務局も仕事納め。そして、今日は今年で3回目となる年末恒例の仕事納め情宣だ。今年はコロナ禍の影響でままならなかったが、協会事務所前他での14回目の現場情宣行動、2020年の最初で最後の現場行動だった。
南部労組他、東京都下の地域合同労組の仲間13名に結集していただき、いつものように協会事務局のあるKDX浜松町ビルの正面玄関・通用口の二手に分かれ、ビラ配布をお願いし、当該組合員はビル正面でマイク情宣を開始した。

本日の情宣行動で用意した情宣ビラ『JAID UNION News No.14』には、2020年を振り返る南部労組・福祉協会の闘いの総括報告と、不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件の経過、取り分け、今年3月の争点の一つが部分和解となったこと、先日行われた東京都労働委員会での第20回調査報告を主として掲載。入館する協会事務局職員や道行く地域の労働者のみなさんに配布し、訴えた。 続きを読む

[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第17回調査報告〜争点2 支配介入・不利益取扱いについて部分和解成る〜

不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第17回調査が、2020年3月24日(火)15:00から東京都労働委員会審問室において行われた。協会側は協会顧問弁護士とO常任理事、古屋総務課長、三浦政策企画課長(兼事業課長)。我々組合側は当該組合員の他、南部労組の仲間4名が集まってくれた。
今回は争点の一つである支配介入・不利益取扱いの件についての和解協定書の調印が主であった。

2020年12月現在の報告まで随分と時間が経ってしまったが、和解報告を含めて機を見て記事UPを行う予定であったが、COVID-19の感染拡大(所謂、第1波による)緊急事態宣言・東京都の外出自粛により、協会が時短勤務・在宅勤務となってしまった為、組合情宣もままならなくなったことから、今更乍らではあるが、ここにその和解協定書の写しと“なんちゃって救済命令”っぽい労働委員会三者委員の意見を記した第17回調査調書の写しを公開する。
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[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第20回調査報告 & 第21回調査告知

不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第20回調査が、2020年12月15日(火)10:30から東京都労働委員会審問室において行われた。協会側は協会顧問弁護士とO常任理事、古屋総務課長、三浦政策企画課長(兼事業課長)。我々組合側は当該組合員の他、南部労組の仲間4名が集まってくれた。

前回調査で、協会は事務局長の末吉を団体交渉に出さない理由を改めて書面で提出することになり、11月27日に協会から「準備書面4」が届いた(書面の日付が「令和2年12月15日」とあるが、届いたのは11月27日である)。
これが、これまでの協会の主張の繰り返しに過ぎず、事務局長末吉が組合との団体交渉に出席しない理由に答えるものとは全くなっていない…ばかりか、当該組合員への中傷・デマのオマケ付きだった。

これに事前に目を通した当該組合員は、「これじゃあ話にならないな(それにしてもムカつくわ…- – #)」と思い、完全に平行線、100%和解不可能、本調査を以って調査は終わり、後は最終準備書面か最終陳述書を提出して、結審→命令となるだろうと思っていた。本期日当日に労側控室にやって来た久保労働者委員も、これでは回答になっていないから、先に協会から事情を聴取するとのことで、暫し、我々申立人組合は控室で待機となった。 続きを読む

[閑話休題]ドナルド・トランプは障害者をどう見ていたのか?〜『さぽーと』2020年11月号「今月号に寄せて」“差別は恥ずかしい”から〜

『さぽーと』2020年11月号

月刊誌『さぽーと』2020年11月号は本来であれば、全国知的障害福祉関係職員研究大会(京都大会)の特集号であったが、京都大会がCOVID-19の感染拡大で次年度に延期になってしまった為、急遽、特集を差し替え、特集「座談会 知的障害のある方の尊厳を守る─日本知的障害者福祉協会としての取り組み─」になった。

特集に関連して、毎号、協会の理事が「今月号に寄せて」(旧「巻頭言」)というコーナーで協会役員の立場として発言している。11月号は協会理事で弁護士の川島志保氏(嘗て『AIGO』『さぽーと』誌の編集委員も務められた)に、特集テーマに合わせて、「差別は恥ずかしい」と題して寄稿頂いた。
川島氏の論考では、Donald Trump米大統領(以下、本人について言及する際は単にトランプと略)の持つ差別感情を、白人警察官によるアフリカ系アメリカ人への暴行・殺害に端を発した“Black Lives Matter”運動等との関連から敷衍して、人の心に潜む差別意識について論じている。昨今、差別が公然と口にされているという指摘は肯首できるし、差別に対して無自覚・無関心なトランプがアメリカの大統領となってしまった現実に、この様な社会現象・社会病理の一端が現れていると私も思う。
そこで、本ブログ記事では、トランプが障害のある人をどういう目で見ていたのかを、“僭越ながら”少々補足してみたい。 続きを読む