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[職場闘争]“狡兎死して走狗烹らる”は侮辱的な表現か?【後編】〜古典に学ぶ自律的な生き方〜

【前編】で、“狡兎死して走狗烹らる”の語源について、呉越の戦での功労者である優秀な臣下の范蠡や大夫種の成功と悲劇の光と陰と、「国士無双」とまで評された韓信の漢の平定後に起こった、妬みや己の権益の為に平気で仲間を裏切る臣下共の讒言による不当な処遇、韓信自身の責めに帰する処もあるとはいえ、結果的に一族が殺される非業な運命を強いられた逸話を、原典に当って解説した。
此れの一体何処が“侮辱”に当たるんだか判らんが、此の故事成句を知っているのなら、寧ろ、春秋戦国時代の有能な武将に譬えられていることになるので、「いや〜、ちょっと褒められ過ぎですよ」と謙遜くらいしてもいいんじゃないか。(笑)

「烹られる」側について言えば、韓非的な言い方で言うならば、君主と臣下とでは其々の利害が異なるので、君主や組織に忠誠を誓い、功績を上げたとしても、「烹られる」側は必ずしも報われるとは限らないということだ。
どういうつもりか判らないが、労働者の団結や正当な組合活動に敵対的な行動を取ることが、組合嫌悪・組合敵視著しい協会管理職に現状追従した方が得だと判断したのなら、結局は労働者の権利や労使対等な関係構築を損なわせることになり、何れ己の労働条件・職場環境に其れが跳ね返ることになる。「汝の部署を放棄せよ!汝の価値に目醒むべし!」*と越の范蠡が思ったかどうかは解らないが、范蠡の様な自律的な生き方を学ぶべきである。 続きを読む

[職場闘争]“狡兎死して走狗烹らる”は侮辱的な表現か?【前編】〜古典に学ぶ自律的な生き方〜

2019年8月16日(金)に協会顧問弁護士から「申入書」がファクシミリで組合事務所に届いた。

何についての「申入」なのかというと、本組合掲示板ブログの記事「[職場闘争]726協会前&社会福祉士養成所 東京スクーリング情宣行動〜66都労委審問報告と社会福祉士養成所のスクーリング参加者に福祉協会の実態を訴える〜」において、当該情宣行動の際の協会職員の敵対的で不穏な言動を取り上げて、“批判”したことへの抗議と記事削除の申し入れである。

さて、抗議を受けた当該記事の中で、協会事務局職員某が毎度毎度、組合情宣時に事務所から飛び出して来て、監視や誰かに通報していることを評して、

「組合嫌悪・組合敵視著しい協会管理職の覚え目出度く、こんなことをしているのかもしれないが、『史記』にある狡兎死して走狗烹らるという言葉を知っているか?」

(2019.9.20追記)2019年7月28日、記事掲載時の記述 

と書いた。
ところが「申入書」によると、

「“狡兎死して走狗烹らる”などと協会及び協会職員を侮辱する表現が用いられて」

いる、とのことだ。

当該記事の「知っているか?」という問い掛けは、少々嫌味な表現かな?と思ったことは確かだ。何故なら、協会管理職も件の職員某も一応大学を出、高等教育を受けているので、当然その意味を知り、謂わんとする真意を理解出来る程度の教養と読解力を持ち合わせているだろうと思っていたからである。
なので、「“知っているか?”とは何だ。失礼な!」という抗議ならいざしも、びっくり仰天、そっちかよ!?
どうやら本当に知らない、若しくは、理解出来ないらしい。

他にも抗議内容は幾つかあり、其れへの対応は本記事【後編】に記すが、本編では此の件を取り上げて批判・反論というよりも、此の古諺の意味する処を示しておきたい。
尚、一般的な組合活動や障害福祉、月刊誌『さぽーと』や協会事務局の内輪ネタでは無いので、興味の無い方、本編の当該の趣味的な解説に「また、ウンチクかよ、ウゼェ…」と思った方は【後編】へどうぞ。 続きを読む