組合加入」カテゴリーアーカイブ

[閑話休題]“上司は偉い”のドグマ〜『さぽーと』2019年2月号・3月号セミナー「福祉職場におけるノーレイティング設計」から〜

『さぽーと』2018年5月号から福留幸輔氏(株式会社生きがいラボ代表・社会保険労務士)が連載している、セミナー「福祉職場におけるノーレイティング設計」。読者諸氏はお読みになっていらっしゃるだろうか。
2019年3月号をもって『さぽーと』誌での連載は終了するが、福留氏も11ヶ月分の長期連載を精力的に熟してくださったことには敬服する。また、連載中、編集サイドの意向や疑問にも真摯に、快く応じてくださったことも感謝に堪えない。

「No Rating型人事制度」の全体像は本誌の連載記事をお読みいただくとして、従来の人事給与の在り方とは違う、従業員への点数付けやランク付けに依存しない、組織の目指すヴィジョンとそれに準じた、あるべき人事制度の在り方を模索し、労働者のキャリア形成へのモティヴェーションを図る、マネジメントへの新しい視座を与えてくれた。
その全てを実行することは、日本的会社組織において、乗り越えなければならない困難さはあるかと私は思うのだが、組織の理念と労働者の情熱が営利企業に比べて、大きな比重を占める*非営利組織や福祉業界においては、制度設計がしっかり出来れば、うまく適合するのではないかと氏は連載を締め括っている。

* 付け加えると、当該組合員の考えとしては、それがdecent workでなければならない。 続きを読む

書評『ゆかいな認知症──介護を「快護」に変える人──』

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『ゆかいな認知症—介護を「快護」に変える人—』講談社現代新書 2018

ノンフィクション作家・フリージャーナリストの奥野修司氏が認知症当事者の人達を取材した『ゆかいな認知症介護を「快護」に変える人(講談社現代新書 2018を読みました。この本には認知症初期の人たちのエピソード12話が収められています。
書名には「ゆかいな認知症」とありますが、別に認知症が「ゆかいな」訳ではなく、認知症でも生き生きと過ごしている人達のお話と、そんな当事者達に寄り添って共に生きている人達の「快護」の物語です。

本組合掲示板ブログをご覧になっている知的障害のある人達を支援する人ならばおわかりと思いますが、その人の抱える障害は一義的に定義できるものではないし、言うまでもないことですが、障害の有無に拘らず、その人がその人らしい感情や意志、自尊心を保ち続けていることには変わりありません。
しかし、知的障害のある人と接したことのない人達もそうですが、認知症を抱える人と接したことのない多くの人の認知症(者)観は、数年で人格変化や徘徊、退行、寝たきりになり、意思疎通が出来なくなるといった重症期の臨床像によるものがほとんどではないでしょうか。本書に登場する認知症当事者の語る言葉や想いから、それが認知症の一面だけを見た誤解や偏見であることを我々に教えてくれます。
また、本書に登場する当事者の方々の抱える認知症は、若年性アルツハイマー型認知症やレビー小体認知症、脳血管性認知症と様々あり、また「できること」「できないこと」の生活の困り感も十人十色だと言うこともわかります。 続きを読む

[職場闘争]第2回団交報告 part 3 〜第1回団交直後に起こった協会の組合敵視言動〜

「いつかこういうことをやると思っていた!」「他に組合に入っているのは誰だ!」

協会側は必死に隠そうとしているものの、当該が組合加入したことについて、当該の直接の“上司”つまり管理職にあたる水内事業課課長代理が、組合加入通知・団交申入から、他の職員に接する態度とは違う、睨みつけるなど明らかな敵対的な態度を示していた。
これまでも排除したい職員の行動を、何喰わぬ顔をして監視し聞き耳を立てて、末吉に密告。そして、末吉は協会役員らに密告(それを鵜呑みにする方もする方だが…)するという実に陰険な対応をしていたし、こういう子供地味た嫌がらせ行為はいつものこと。同じレベルでやり合うのはこちらの品格を貶めることになるので、不快ではあるが極力相手にしないようにしていた。しかし、当該に対する嫌がらせ行為は兎も角も、労働者の権利を蹂躙する言動は看過できない。 続きを読む

[職場闘争]第1回団交報告 part 1 〜組合と協会の初の団交が開催される/始末書の提出について〜

過去の団交経過をこれから随時UPします。過去記事の「組合加入から公然化・団交要求までの道程(part 1〜3)」と併せて御覧下さい。


2016年4月18日(月)18:00から1時間、日本知的障害者福祉協会と南部労組・福祉協会との第1回団体交渉が協会事務局の入っているKDX浜松町ビルの2軒隣のイーグル浜松町ビル8Fで行われた。協会創立80余年で経営側と団体交渉をした事務局職員は当該が初めてではなかろうか。
折しも、同年4月14日に熊本を震源とした最大震度7の大地震が発生。障害福祉関連施設も大きな被害を受け、協会事務局はその対応に追われていた直後であった。そのような中での団交開催は状況的にも延期の可能性が懸念され、ただでさえ忙しい年度始めに協会事務局も多忙極めていたのはよく承知していたので(当該も同様)、少々申し訳ない気持ちもあったことは否めない。しかし、予定通り団交は開催され、協会側の出席者は前協会顧問弁護士とY常任理事(当時)と末吉事務局長。組合側は当該組合員と南部労組の組合員3名で始まった。 続きを読む

[職場闘争]組合加入から公然化・団交要求までの道程 part 3

2016年3月29日(水)の午後、昨日配達証明で郵送した組合加入通知兼「団体交渉開催要求書」が協会に届いたようだ。どんな様子なのかな?と窺ったら、当事者たち(末吉・水内)はアタフタしてパニック状態だった。(笑)
団交要求書を受け取った末吉事務局長と水内事業課課長代理は外に出て行ってしまった。どうやら、他の職員に気づかれないように、外で謀議を行うつもりらしい。おやおや、勤務時間中なのに勝手に離席・外出しちゃダメだろ…。(笑)
まぁ、それは兎も角、これからは君たちの好き勝手にはさせないぞ!様を見なさい!と思い、その慌てふためく様を眺めて胸の空く思いであった。いやー、労働組合に加入してよかったぜ!^^Y

その夜は南部労組他労働組合で構成される南部地区労働者交流会の3.29南部春季集会(春闘集会のようなもの)があり、そこで組合加入と団交要求を行ったことを集まった各労働組合の仲間に報告、「おー、今日届いたんだ。ヨシ!がんばれ!」と激励された。

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[職場闘争]組合加入から公然化・団交要求までの道程 part 2

2016年3月15日(火)の昼休み、「○君、ちょっと…」とY常任理事(当時)から呼び出しを受けて「ついに来たか…」と思ったのも、3月1日の職員会議「事務局調整会議」の席上で、Y常任理事が会議の中盤に、わざわざ就業規則の服務規律のある章を蛍光ペンでマーキングして職員に配布し、

「今年度(2015年度)最後にあたって、残念ながら今年度1名退職となりました(Y氏のこと)。」
「就業規則をみなさん再認識してもらおうと配りました。第3条…職員は、本会の公共的使命を理解するとともに、この規則を守り上司の命令に忠実に従って事務局の秩序を維持し相互に協力してその職責を遂行するよう務めなければならない…詳細は第7章の服務規律を読んで再認識していただきたい。協会の一員の自覚をもって気持ち良く仕事をしてもらいたいと思いますのでよろしくお願いします。」

と告げた。この時期になぜ?Y氏が退職勧奨されて辞めた経緯も職員に詳らかにせずに、だ。どうもこの間「上司」に対して“反抗的”と見做された私への警告としか思えなかった。これに加えて、何やらその「上司」らがキナ臭い動きもしていたのは察知していた。そして、3月15日にY常任理事に呼び出され、そこで手渡されたのは「始末書」の雛形だった。そして、その始末書の雛形には項目と記入例が、こう書かれてあった。
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[職場闘争]組合加入から公然化・団交要求までの道程 part 1

2015年12月3日(木)の朝9時30分を過ぎた頃、自分に席に末吉事務局長がやって来て、「ちょっといいか?」と言って来た。
一昨日の12月1日付けで、「総務課課長代理兼事業課課長代理」になった水内事業課課長代理が(この不透明な人事についてはこちらで少し触れている)I事業課係長と私に対して、翌日、打ち合わせと称し、早速上司風を吹かせて命令口調であれこれ指示を出し、自分はともかく、勤続30年以上の大ベテランのI事業課係長に対して、その地位を利用した傲慢不遜な物言いに不快な思いを抱きつつも、何も知らない水内事業課課長代理に冷静にこれまでの業務の流れを説明。しかし、こちらの言い分もあるので主張すべきことは主張させてもらった。
どうやら、その時の私の態度にご立腹だったようで、水内事業課課長代理は末吉事務局長に報告(密告)し、“反抗的”な私をとっちめるべく、朝一番に「役員室」に呼び出したのだった。

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