日々雑感」カテゴリーアーカイブ

12月9日は「障害者の日」…国際障害者デー+障害者の日=障害者週間

2023年12月1日(金)、月例の職員会議(協会事務局では「事務局調整会議」と呼んでいる)で、度会常任理事から「今月は3日から9日が障害者週間で、いろいろなイヴェントがあります。みなさんも機会があれば参加してみてください」という話がありました。
今回の職員会議だけではありませんが、このような障害福祉関連のtopicsについて少しでも触れる“天下り”常任理事・事務局長は珍しい。

なんせ、以前の記事でも触れましたが、かつてのある協会の“天下り”は、本省(厚生労働省)に電話かけて「障害者週間っていつだっけ?」と聞いていた、恥も外聞もない有り様にはドン引きしましたが、これは論外としても雲泥の差です。

当たり前と言えば当たり前なのですが、協会事務局職員は他業種からの転職組も多いので(私もそうですが)知らない職員もいるでしょうから、目の前の事務仕事だけではなく、広く自分たちの仕事と社会の関わりに広く目を向ける意識を持ってほしい思いは私も同じです。 続きを読む

[職場闘争]永年勤続30年表彰された…のだが〜無礼千万な協会の態度〜

10月22日は協会の創立記念日である。
この日は、当時の日本の知的障害児者の教育・福祉施設8施設の施設長等が集い、滝乃川学園の石井亮一園長を初代会長とし、1934年10月22日に、日本精神薄弱児愛護協会(現・公益財団法人日本知的障害者福祉協会)が発足した事に由る。

嘗て協会事務局では、10月22日は通常業務を行いつつ、細やかに創立記念日を祝ったものだったが、其の様な事もここ10年くらい前からか無くなった。
ただ、事務局職員の勤続10年・20年・30年の事務局職員の表彰は執り行なわれている。
そして、2023年、今年は当該組合員の勤続30年の表彰が、10月20日(金)に行なわれたのであった(2023年10月22日は日曜日の為、前倒し)。

昼の12時10分前くらいに、古屋総務課長が「皆さん、ちょっとよろしいですか」「xxさん(当該組合員のこと)、表彰なのでこちらへ」という事で、職場の隅に追いやられて仕事している私は、総務課や役員室近辺に赴き、度会常任理事から井上博会長名の表彰状を授与された。

経営と“闘う労働組合員”として知られているので、職員の反応はビミョーな感じだったが、それは承知の上だったし、最早、どう思われようとも何とも感じ無くなっているので、其れは別に構わない。
コイツに何か言わせると何を言い出すか判らないと思っているだろうから、表彰状渡して終わりかな?と思っていたが、度会常任理事が「何か一言ありますか?」と気を利かせて言って呉れたので、そう言われたのなら、何か言うのがいい歳した“大人の対応”であろう、という事で挨拶させて貰った。

以下がその挨拶である。 続きを読む

書評『ともに生きる──僕の自立生活と人生のありのまま──』

「共に生きる」や「共生社会」、この言葉を見聞きしない日はありません。この様な社会を目指す在り方に異議を唱える人はほとんどいないでしょう。しかし、誰からも異論が出ない心地良い言葉の氾濫に、私は訝しい思いを抱きます。

「自立」や「自立生活」もそうです。2005年に成立した障害者自立支援法は障害者の自立を謳いつつも自立概念の深化も疎かに、誰も反対しない・できない言葉を使ったその法律の内実は、障害福祉の公費負担削減を目論んだものだったからです。

もう一度考えてみましょう。
「ともに生きる」や「自立生活」って何だろう?
今回ご紹介する本は新たな視座を与えてくれるかもしれません。 続きを読む

[日々雑感]AI(人工知能)が『愛護ニュース』2023年2月号「浜松町から」を書いたらどうなるか

予てより障害者雇用代行ビジネスの問題を本組合掲示板BLOGで取り上げたくてうずうずしていたところ、丁度いいネタを投下してくれたことに、当該組合員としては協会の末吉事務局長さんには感謝感激雨霰である。

【後編】でも少し触れた様に、OpenAI社Chat GPTがversion 3.5から4になり、格段に性能が向上していることは、 AI(人工知能)の動向に詳しくない方でも、この話題を聞いたことがあるのではないだろうか。
かく言う当該組合員もAIに詳しい訳ではないが、このテクノロジーには興味があって旧versionの無料お試し版で遊んでいたところ、2023年3月14日にGPT-4がリリースされ、これも無料お試し版を使ってみて驚いた。 続きを読む

[日々雑感]明るみに出た障害者雇用代行ビジネスの問題〜『愛護ニュース』2023年2月号「浜松町から」批判〜【後編】

「令和元年度 相談支援・就業支援セミナー」に障害者雇用代行ビジネス企業を講師として招いた協会は会員からの抗議・批判に答えたのか?

『愛護ニュース』2023年2月号(1面)

さて、ここから(株)エスプールプラスと協会の関係について、当該組合員知る裏事情を少し紹介し、『愛護ニュース』2023年2月号「浜松町から」で協会事務局長の末吉がこの問題について、どういうつもりなのか、他人事に様にいけしゃあしゃあと言及している事に苦言を呈したい。

正確な日にちは覚えていないが、或る日、協会事務局員の部会担当者から「xxさん(当該組合員のこと)。部会のセミナーの講師に協会紹介として資料を渡したいので、『さぽーと』誌を数冊ください。」と言われた。
そういう事はままあるので、その部会担当者に『さぽーと』誌を渡し、気になったので彼に「その講師って、誰?」と尋ねたところ、返ってきた言葉は「エスプールプラスという会社」との事だった。 続きを読む

[日々雑感]明るみに出た障害者雇用代行ビジネスの問題〜『愛護ニュース』2023年2月号「浜松町から」批判〜【前編】

やっと問題視され始めた障害者雇用代行ビジネス

2022年末から、障害者雇用、とりわけ障害者雇用代行ビジネスについてマスコミで取り上げられ始めた。

この組合掲示板BLOGをご覧の方は既にご存知だと思うが、障害者雇用代行ビジネスとは、極簡単に言うと、障害者雇用代行ビジネス企業が就労を希望する障害者を、障害者を雇用したい企業に紹介し、障害者雇用代行ビジネス企業の運営する農園等(必ずしも農園とは限らない)を就労場所として提供し、契約企業から障害者の紹介料や施設利用料を受け取り、雇用形態としては障害者を雇用したい企業の社員として、障害者雇用代行ビジネス企業の農園等で働かせ、契約企業の障害者雇用率に算定できる、というものである。
ただ、このビジネスモデルはそれを業とする各企業によって多少の違いはある様だ。

障害者雇用代行ビジネスが現れ始めた頃から「よくこんなことを考えつくもんだ…。だけど、これって許される事なのか?」と即座に違和感というか、何とも言えない嫌悪感を感じた。
金で障害者雇用率を買う様なビジネスがまかり通るなら、最悪、障害者雇用は全て代行ビジネス企業の農園その他に任せてしまう事だって起こり得る。
障害者雇用促進法(障害者の雇用の促進等に関する法律)の趣旨にある事業主の責務

第5条 すべて事業主は、障害者の雇用に関し、社会連帯の理念に基づき、障害者である労働者が有為な職業人として自立しようとする努力に対して協力する責務を有するものであつて、その有する能力を正当に評価し、適当な雇用の場を与えるとともに適正な雇用管理を行うことによりその雇用の安定を図るように努めなければならない。

に適うビジネスなのか?と…。

さて、障害者雇用代行ビジネスについては、当該組合員が感じていた様に、障害福祉関係者から、そのビジネスモデルの在り方が問題視されていたのだが、“Storm in a teacup”(コップの中の嵐)でしか無かった様に思う。
これは当の企業が、何ら違法な事をしている訳では無く、中々批判し辛い処があったからであろう。 続きを読む

[日々雑感]この世は不条理に満ちている〜刑事事件にまでなった強度行動障害児者の療育を巡って〜

当該組合員が『さぽーと』(『AIGO』)誌の全国知的障害施設職員研究大会(以下、全国大会と略)特集号の為の写真撮影・取材に赴いていた頃*、十数年前になるが、ある県で行われた全国大会の分科会で自閉症児の療育場面の映像が紹介されていたのを目にした。
そこに写っていたのは、療育課題に集中できない対象児に、療育者が叱責と迄はいかないものの結構大きな声で、また、拘束と迄は言えないのかもしれないが対象児の身体を強く抑え込んで課題遂行を促している様子だった。
これを見て「え〜、これって酷くない?下手すりゃ虐待じゃないの?」と思ったが、分科会参加者は黙って真剣に聴講していたので、現場で働いている人間ではない当該組合員にとって、自閉症児療育の臨床とはこういうものなのかなぁ…と、なんともモヤモヤした気持ちになった事を今でも覚えている。

* 本組合掲示板BLOGの過去記事「[日々雑感]全国大会特集号について〜『さぽーと』編集部から見た「大会アラカルト」B-side〜」を参照。

2022年7月18日、毎日新聞のスクープ記事「福岡「療育」NPO、障害児らに馬乗りで拘束 睡眠中に施設に連行」が伝えたところによると、「知的・身体障害者らの支援を手掛ける福岡県福岡市のNPO法人さるくが、障害児らの「療育」や「生活改善」のためと称して自宅で寝ているところを拘束して運営する施設に連行したり、長時間馬乗りになって頭部を揺さぶったりする行為を繰り返していたことが、関係者への取材で判明し」、7月20日に福岡県警は、NPO法人さるくの理事長外1名を逮捕監禁・強要容疑で逮捕した。
法人代表は、TEACCHプログラムや応用行動分析(ABA: Applied Behavior Analysis)、PECS®(絵カード交換式コミュニケーションシステム)**、筋弛緩・身体アプローチ等を基に開発した、障害福祉サービス制度外の自由契約による訪問セラピーにより、強度行動障害は短期間の集中的な介入によって問題行動は改善されるとしていた様である。

** PECS®はピラミッド教育コンサルタントInc.の登録商標です。

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今日は何の日? この1週間に何がある?~国際障害者デーと障害者週間~

「きょうは何の日? Fu Fuu♪」というと、かつて放送していた某民放TV局のお昼の番組のようですが、この組合掲示板ブログをご覧の方ならご存知の通り、12月3日は国際障害者デー(International Day of Persons with Disabilities)です。

1982年12月3日、第37回国際連合総会において、1981年の国際障害者年(International Year of Disabled Persons)の趣旨をより具体的なものとするために、障害の予防(Prevention)、障害者のリハビリテーション(Rehabilitation)、障害者の機会均等化(Equalization of opportunities)という3つの目標を掲げた「障害者に関する世界行動計画(World Programme of Action concerning Disabled Persons)」が採択されました。
この日に因み、国連は1992年の第47回総会で、毎年12月3日を国際障害者デーと宣言しました。

国際障害者デーは毎年テーマが定められており、2021年のテーマは「インクルーシブかつアクセシブルで、持続可能なCOVID-19後の世界を目指した障害者のリーダーシップと参画(Leadership and participation of persons with disabilities toward an inclusive, accessible and sustainable post-COVID-19 world)」です。
国連のWeb Siteには、このテーマの趣旨が概略、以下の様に記されています(当該組合員による抄訳)。 続きを読む

[日々雑感]今でもたまに精神科クリニックに通院する当該組合員の「弱さの情報公開」〜薬と心の持ち様〜【後編】

【前編】の薬の話の続きで、【後編】は心の持ち様についてですが、これは何も精神疾患やその障害に纏わる話だけとは限りません。【後編】では、社会や職場を支配する「強いこと」を志向する価値観を転倒させる「弱さの情報公開」の実践と、我が職場闘争に絡んだ話を。

まずは「弱さの情報公開」から

何でこんな話をしているかというと、私(当該組合員)もまさか自分が鬱になるなんて想像もしていなかった様に、パニック障害だろうが躁鬱病だろうが統合失調症だろうが、心の病には誰でも罹る可能性は有り、余程その人のプライバシーに関わることならば話は別にしても、その事実を隠す必要なんて全く無いということだ。
私自身の経験からも、当事者の生き辛さ・困難さを乗り越えるには、自分の病気に向き合い、開き直る「弱さの情報公開」が当事者にとって、とても重要だと思うからである。 続きを読む

[日々雑感]今でもたまに精神科クリニックに通院する当該組合員の「弱さの情報公開」〜薬と心の持ち様〜【前編】

最初に申し上げておきますが、本記事は当該組合員の極々個人的な話が【前編】で、職場闘争ネタは【後編】からになります。
個人的な話に興味の無い方は【後編】をどうぞ。現在、心の病気を患って職場で病気の理解得られずに困っている方や精神科の薬に興味のある方は、【前編】の当該組合員の体験談関連記事含めて、【後編】の最後までお付き合いください。

当事者目線で見る、心に働く薬たちの現状

今から20年くらい前に鬱病に罹り、定期的に通院せずに済む様になり、抗鬱薬を服用しなくてもよくなる迄、ほぼ10年くらい掛かった*
しかし、ようやく立ち直りかけていたところ、2012年辺りからの一部の者による職場の専横支配による労働環境の悪化、排除が顕著になり、2016年、ついに堪忍袋の緒が切れて労働組合加入・職場闘争決起という流れの中で、闘争心で奮い立って、表面的には元気そうに見えても、心や身体は正直なもので、不眠傾向やたまに心身の調子が悪くなることが屡々起こり、ここ何年か、約4ヶ月に1回、当該組合員は精神科に通院し、抗不安薬や睡眠薬を処方してもらっている。

* この辺の話は本組合掲示板ブログ記事の「[集会報告]2・9刑法全都実 総会・集会「職場と過労うつ体験―休職・復職など―」【後編】」を参照のこと。 続きを読む