「きょうは何の日? Fu Fuu♪」というと、かつて放送していた某民放TV局のお昼の番組のようですが、この組合掲示板ブログをご覧の方ならご存知の通り、12月3日は国際障害者デー(International Day of Persons with Disabilities)です。
1982年12月3日、第37回国際連合総会において、1981年の国際障害者年(International Year of Disabled Persons)の趣旨をより具体的なものとするために、障害の予防(Prevention)、障害者のリハビリテーション(Rehabilitation)、障害者の機会均等化(Equalization of opportunities)という3つの目標を掲げた「障害者に関する世界行動計画(World Programme of Action concerning Disabled Persons)」が採択されました。
この日に因み、国連は1992年の第47回総会で、毎年12月3日を国際障害者デーと宣言しました。
国際障害者デーは毎年テーマが定められており、2021年のテーマは「インクルーシブかつアクセシブルで、持続可能なCOVID-19後の世界を目指した障害者のリーダーシップと参画(Leadership and participation of persons with disabilities toward an inclusive, accessible and sustainable post-COVID-19 world)」です。
国連のWeb Siteには、このテーマの趣旨が概略、以下の様に記されています(当該組合員による抄訳)。
障害のインクルージョンは、人権、持続可能な開発、平和と安全を守るための不可欠な条件です。それはまた、持続可能な開発のための2030アジェンダの“誰も置き去りにしない”約束事の中心ともなります。障害のある人達の権利を実現する取り組みは正義の問題のみならず、共通の未来への投資でもあります。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的な危機は、これまであった不平等と排除を明らかにしました。10億もの障害のある人達は、私達の社会の中で最もその排除を受けている一群であって、COVID-19により多くの犠牲を出しています。
通常の状態においてさえ、障害のある人達は医療や教育、雇用において、また、地域社会への参加の可能性が低くなりがちです。障害のある人達が置き去りにされないようにするためには、これらへの統合的なアプローチが必要です。
障害のある人達のインクルージョンは、全ての人によりよいサービスを提供し、ウィルスをより完全に抑制して、COVID-19への反応と回復をもたらすでしょう。そして、まずは最も遠くに置き去りにされた人達に手を差し伸べることが、複雑な状況に対して機敏なシステムをさらに有効に提供することになるでしょう。ご存知ですか?
・10億人の障害者の内、80%は発展途上国に住んでいます。
・60歳以上の高齢者の46%が障害者と推定されます。
・女性の5人に1人は障害を有する可能性が高く、子供の10人に1人は障害を持っています。
・障害者はCOVID-19によって最も大きな打撃を受けています。
2021年は、新型コロナウイルスが障害のある人の生存に多大な影響を及ぼしていることをテーマとしなければならない程の事態であって、その危機感がこのテーマに現れています。
一方、日本では、12月3日から12月9日までは障害者週間(障害者基本法9条)とされています。
前述した様に、国際障害者デーであり、障害者基本法の公布(1993年)日でもある12月3日から、障害者基本法第6条の2第2項(2014年改正以前)で定められた「障害者の日」である12月9日までを障害者週間として設定したことを始まりに、以降、官民共同で障害や障害のある人についての様々な啓発・広報活動を行っています。
障害者週間と言えば、思い出すことがあり、現在、日本知的障害者福祉協会が行っている作文コンクールの新規事業立ち上げ準備の頃だったと思いますが、当時の協会事務局長*が古巣の厚労省の友達に「○○ちゃん、障害者週間、障害者の日っていつだったっけ?」と電話しているのを耳にした時は、障害福祉全国団体の事務局長が障害者週間や障害者の日がいつかを知らず、厚労省に電話して聞くとは!と呆れ、その日は仕事をする気が無くなり、もう家に帰りたくなったことを思い出します。; ;
* 元厚労省官僚で、2013年の末吉事務局長(当時は事務局次長)による暴行・パワハラ事件に加担した人物である。
こんなどうしようもない悪夢の様なエピソードは早く忘れてしまいたいところですが…。
さて、障害者週間に因んだ情報として、関係する方からお知らせ頂いたので、社会福祉法人東京都社会福祉協議会 知的発達障害部会の「障害者週間記念特設サイト」をご紹介いたします。
当事者としての生活実感に基づいた権利や社会の在り方を語り合った座談会やインタヴュー動画等、読み応え・見どころのある記事が掲載されております。是非ご覧ください。
この日・この1週間、障害と障害のある人について知り、考え、課題を共有する絶好の機会です。
奇しくも社会保障審議会・障害者部会が本日開催されております。
これからの制度・施策の論議も重要なことは言う迄もありませんし、さすがに前述の様に「障害者週間っていつだっけ?」なんてことを言わないとは思い…いや、信じていますが、日本知的障害者福祉協会も国際障害者デーや障害者週間に合わせて、COVID-19のパンデミックで露呈した障害のある人達の生存に関わる危機的状況への行動と様々な制約を受けながら暮らす当事者の声を聴く、草の根の啓発・広報活動に取り組んでもいいのではないでしょうか**。■
** 私が入職した頃〔江草安彦(岡山・旭川荘)会長時代〕の愛護協会は、障害者関係団体と一緒に「国連・障害者の十年(United Nations Decade of Disabled Persons 1983-1992)」のイヴェントや活動に積極的に関わっていたものです。
…The end