不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第6回調査が、2018年11月20日(火)10:30から東京都労働委員会調整室において行われた。協会側は協会顧問弁護士とO常任理事、古屋総務課長、三浦政策企画課長。我々組合側は当該の他、南部労組の仲間6名が集まってくれた。
先週から引き始めた風邪が悪化したのか、それとも別な原因なのか、調査前日は朝から高熱が出て動けず(掛かり付けの医院で検査してもらったがインフルエンザではなかった)、当日朝は高熱は退いたものの、体も頭もフラフラで、要になる今回の第6回調査は大丈夫だろうか?と心配だったが、組合の仲間の支援もあり、何とか乗り切れた感じだった。
前回の第5回調査では、金井公益委員の和解勧奨と組合の和解よりも審問移行へという主張と結構なぶつかり合いになったため、後に組合が提出した準備書面(2)において、審査への要望も付記しておいた。以下、該当箇所を掲載する(一部伏字)。
第4 貴労働委員会の本件審査についての要望
これまで貴労働委員会において5回の調査を重ねてきたところであるが、上述したように、協会の和解条件案は組合及びxx組合員にとって受け入れられないものであり、協会も同様と思われる。本件審査において申立人被申立人双方の主張は平行線を辿っており、また、証拠も出し尽くされ、現状では和解に至ることは考えがたい。これ以上前進が見込めない調査や和解協議に時間を割くことは、申立人である組合及びxx組合員が被る不利益を鑑みて、時間の経過と共に好ましからざる事態を招来させかねない。よって、貴労働委員会には速やかに本件審査の審問手続への移行を要望するものである。
申立人被申立人双方の事実認識が全く違えば、和解などとても望めるものではない…と言うか我々組合側は現状では和解に応じる気はない。この要望や駄目押しに近い我々組合側の証拠の提出(第49〜52号証の4つ)が如何程の効力を発揮するか、これまでの審査の流れからして、やや不安ではあったが、今回はまだ調査を続行させるのか、次回から審問に移るのかが焦点となった。
第6回調査の報告に入る前に、今回の調査でも労働委員会に少し話したので、11月9日付けの協会の準備書面1の一部を紹介させてもらう。
末吉・古屋・三浦・水内の協会管理職たちが、提出期日間際に会議室をウロチョロ出入りして、バタバタと作っていたようだったので(誰の目にもわかるんだが…笑)、どんなものかと思っていたが、案の定、不当労働行為事実とはあまり関係ない当該組合員の“disり”が満載で、胸糞悪いことこの上ないものだったが、まぁ、こちらの提出書面も彼らにとっては胸糞悪いに違い無いからお相子ということで許してやろうか。(笑)
しかし、論理が粗雑なのは彼ららしいところ。2つばかり例を挙げよう。
コミュニケーションに問題があるのかないのか?
かねてより、当該組合員を排除して水内事業課課長代理とI事業課係長で仕事の打ち合わせを行っていることを、組合員の業務連絡遮断・業務担当外しの例として、組合は問題視し指摘しているのだが、協会の準備書面1には「被申立人としても両者間にコミュニケーション不足があったと認職している」と職員相互のコミュニケーションを不足を認め、「職員間のコミュニケーション不足を解消する」と言っておきながら、後段では「あくまでも課長代理と係長としての打ち合わせを別室で行ったに過ぎず、何ら問題視されるようなものではない」と開き直っているのはどういうことか? コミュニケーションが問題だと言うなら、こういう点こそ問題視し、改善しなければならないのではないのか?
協会は表向きには“コミュニケーション改善”と言うものの、その実、職員相互のコミュニケーションの改善・円滑化を図ろう…なんて気がないのが見て取れる。これで和解したとしても協会はお茶を濁して終わりにするだろうことは見え見えだ。
因みに、我々組合は協会事務局職員間のコミュニケーションの取り方に問題があるのは認めつつも、本質は協会の組合嫌悪・組合敵視に基づく組合員排除にあると認識している。
水内サンは挨拶をするのかしないのか?
「(筆者注:水内事業課課長代理が)睨み付けた、挨拶をせずに無視をした、という事実はいずれも存在しない。なお、挨拶については、これまでxx氏(筆者注:当該組合員のこと)が他の職員に対して挨拶を行っていないため、ほぼ全ての職員がxx氏に対して挨拶をしない状況となっている」とあるが、では、ほぼ全ての職員は当該組合員に挨拶をしないが、例外的に水内事業課課長代理だけは当該組合員に挨拶するということでいいのかな?
こんな瑣末なことは本来どうでもいいことなんだが、わざわざ準備書面に書いて来ているので、よもや嘘じゃあるまい。よって、審問で追及させてもらうが、審問で虚偽の陳述をした証人は3月以上10年以下の懲役(労組法28条の2)、当事者の虚偽陳述は30万円以下の過料(労組法32条の3)になるんだが、覚悟はできているんだろうな?君たち。
和解決裂、審問へ
さて、労働組合側控室で待機していると、1時間近く経過して、組合が調整室に呼ばれた。調整室に入ると労働委員会から求釈明の文書が置いてあった。その内容は全国大会の出張に関わる件で、確かに協会の準備書面1に書かれてあったが、これについて聞かれるとは想定外だった。口頭での簡単な説明が求められたが、この件は不当労働行為の傍証として挙げたもので、決定打となるような事柄ではないものの、背景には協会の時期的な判断からして、当該組合員の担当業務外しであると推察されるし、その説明も当該組合員に対して無かった事実と、求釈明で求められている事項のいずれも該当することを伝えた(全国大会に関して、詳しくはこちらの記事を参照)。
前述した2例以外にも、協会の準備書面には事実と違うことが書かれているので、それを一つ一つ挙げようとしたが、「細かい点の認否については審問で明らかにしましょう」ということで遮られ、「何か言っておきたいことがありますか?」と金井公益委員から促され、以下の様に総体的な感想を述べさせてもらった。
「私の態度が悪いとしきりに協会は言ってますが、私は実務担当者として、言うべき意見を言っているに過ぎません、彼らにしてみれば、それが反抗的と映るんでしょう。トップダウン経営・ボトムアップ経営其々にメリット・デメリットがあるのはわかります。しかし、コミュニケーションの問題もそうなんですが、間違ったトップダウンや何でも力で従わせようとするパワハラ体質こそが協会の問題なのであって、それを正して業務改善・労働環境改善に繋げるために、私一人だけでも声を挙げて組合活動しているんです。」
一旦退室して、またすぐに労使双方が調整室の席に着き、日程調整を行った。求釈明への回答と証人申請、尋問事項の提出の期限が12月21日(金)、今回の第6回調査には久保労働者委員が欠席だったため、次回期日を入れられなかったが、都労委事務局から1週間くらいで候補日の連絡が入るが、年明けになりそうだとのことであった。
これでやっと審問に移れる、前進したと、ホッとしたと同時に、これからが本番の闘いだと思うと、また熱が上がって来たこととも相俟って、武者震いを実感したのであった。
協会事務局に風通しの良い、民主的な職場を作っていくためにここは踏ん張りどころである。■
† (2018.12.8追記)次回いきなり審尋を行うかのような誤解を招く表現があったため、一部修正しました。†
…The end
職場で挨拶をしないとかされないとか、本当にいやな話ですね。仮にそういうことがあったとしても、何が原因なのか、経営側が当該を敵視している中で、100パーセント正しい実態把握ができるわけがない。そういうことに論点をずらす協会の姿勢に怒りを感じます。
あいさつ云々は嘘っぱちなんで、ハナから相手にする気はありません。それよりも、こんな恥知らずな主張してくる彼らの心性、幼稚な嫌がらせをしてまでも排除に汲々としないと自己を保てないのが情けないですね。
彼らには自分たちが社会福祉実践団体の事務局員であるという自覚があるのでしょうか?
体調不良で大変でしたね。協会側の反論ははたから見て気持ちが悪くなる人格攻撃です。こういったレベルで労働組合に反論することは、日本知的障害者福祉協会の社会的信用を貶めるものではないでしょうか?
協会の反論なんてこんなレヴェルだろうと思っていたので、さほど驚きませんでしたが、よってたかってこんな反論しかできないのは…う〜ん、社会福祉全国団体の事務局としてどうなんでしょう?
この実態を可視化するのもわが組合の役割かと割り切っていますが、職場の日常もこんな感じなので、なかなか耐え難いものがあります。