[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第3回調査報告

不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第3回調査が、2018年6月27日(水)16:00から東京都労働委員会審問室において行われた。この日も3時間の時限ストライキで都労委調査に臨んだ。我々組合側は南部労組の仲間5名が駆け付けてくれた。

前回の2回調査で労働委員会から和解の道を探るため、労使双方から和解可能な条件を其々提出するという段取りだったので、我が組合は6月18日に和解条件を書面で提出した。が、団交ルールの確立や職場のコミュニケーション改善・円滑化など、協会が不当労働行為事実を糊塗するための欺瞞であることは明白なので、その根拠を明らかにし、協会が不当労働行為救済申立書の事実を認め、謝罪と反省の意を表明し、末吉事務局長が今後団交に出席することを再度書面に認めた。要するに事実上、現状において和解は受け入れられるものではないということである。もちろん、協会がどのような和解条件を提示するかに懸かっているのではあるが。

さて、控室から呼ばれ審問室に入り、6月18日に提出した我が組合の和解条件について質問が及んだ。和解条件についてはほぼ申立事項に記した救済内容と変わりないものであるが、金井公益委員からは、“謝罪”を求めても協会を説得するのは中々困難であることを告げられた。確かに、現実問題として謝罪要求を和解協定に盛り込むことが難しいことは、これまでの他の争議案件からも十分理解している。しかしながら、少なくともここまで問題を拗らせてきた協会の組合対応については何らかの反省と改善の意思表示がなければ、とても受け入れられないものである。和解協定にどのような文言で、どのような条項を盛り込めるかは協会の姿勢に関わっていることを伝えた。

さらに、金井公益委員から、事態の進展を図る為「過去の出来事よりも、将来的に〇〇さん(当該のこと)が職場で今後働きやすいようにしなければ」云々との発言があった。しかし、過去の不当な出来事への真摯な反省がなければ、将来に禍根を残すことは自明である(ヴァイツゼッカー大統領の名演説を見よ)。それに、これまでの協会事務局の実情を見聞している身としては、これから皆んなで仲良く仕事をしましょうなどということは“現状”夢物語に近いことだ。この辺は日々現場で何が起こっているのかを知らない労働委員会としてはそういう捉え方しかできないのは致し方ないところなのかもしれない。謝罪要求が厳しいなら、反省や遺憾の意なり、協会の出方次第で要求の仕方は幅を持たせますよ、とやや譲歩したところ、石川使用者委員から、「謝罪要求に固執するのではなく、少し譲歩されることも視野に入れていただいているので安心しました」と言われたが、「う〜ん、申立書と同様、謝罪して欲しいことには変わりないんですけどね」との当該の発言に、「それはそうでしょうけど」と委員から笑いが漏れた。いやはや…。

その後、控室に戻り、しばらくして再び審問室へ。協会から程なく団交ルールに関する提案文書が組合宛に届くこと、それを受けて組合側が和解可能かどうかを検討すること。組合側は和解条項を明確にした文書を7月12日を目処に提出することとし、それを受けて協会が職場のコミュニケーション改善案なるものを7月末に提出、和解の道を探るという段取りになった。

協会の反撃 ?!「髭を生やしている」

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髭生やしてますけど、それが何か?(笑)

その中で、金井公益委員が、「ちょっと、これは言うべきかどうか悩んだんですけど…」と前置きしつつ、何と「協会が言うには、◯◯さん(当該のこと)が髭を生やしているから、会員の前には出せないと言ってるんですけど」と宣ったのだった!

はぁ? なんだそりゃ!
就業規則に髭を生やしちゃいかん!なんてどこに書いているんだよ。そんなこと今まで言われたことないし、協会会員からもクレームついたこともないし(少なくとも自分には)、彼らは知らんだろうが、陰ながら支援してくれている協会関係者も複数いるんだぜ。それにそんなの単なる個人の趣味・嗜好の範疇だろう!と、言うに事欠いて、これが協会の当該の仕事干しの理由かよ…と呆れ返ったが、委員の手前一応穏やかに反論・意見を申し述べさせてもらった。
また、当該は年上で言いたくても言えないから、職場のコミュニケーションの改善を…などと変なリクツを言っていた様でそれも考え合わせると、何だか答弁書にあった珍論「病院や警察に行かなかったから暴行は無かった」とそっくりだな。こんな発想ができる協会事務局幹部(常任理事や事務局長、課長たち)の頭の中を覗いてみたいよ…。それにしても、規則にもない誰か(言わなくてわかるでしょうが)の個人的な価値観や好悪感情を押し付けられたら堪らない。そんなもんに従える訳がない。…って言うか、それってパワハラ・セクハラじゃないの? これが協会事務局の実態である。

これには、公益・労働者・使用者各委員もこれでは和解にならないと焦ったのか、呆れ顔で「そうですよね。個人の自由でもありますし、あまり気にしなくていいですよ。聞き流してください」と言っていた。当たり前だ。

それにしても、協会は労働者の髭や容姿について、裁判で争われて原告が勝訴していることを知らないのか? まあ、知らんだろうから教えてやろうか。

イースタン・エアポートモータース事件(東京地裁昭和551215判決)
郵便事業(身だしなみ基準)事件(神戸地裁平成22326判決)

もし、そんなことで今後強要なり、不利益取扱いなり、処分を行ったら、今度は不当労働行為ではなくマジで訴訟起こすぞ。

我が組合の面々も「まさか髭とはね!それしか反撃できることがないからじゃない?」と笑っていた。確かに、笑うしかないが、これが80余年の歴史を誇る日本知的障害者福祉協会の事務局の現状なのかと思うと、当該の粗探しするにしても、あまりにも理由がくだらなさ過ぎて、言葉も無い。

余談だが、これでも毎朝、MERKUR 23Cのホルダー(柄が長くて保持バランスが良い)に、Gillette PLATINUMの両刃剃刀(切れ味・肌触り共に最高!)を装着して余分な髭は剃っているし、Solingenの髭鋏とKENTの髭用コームで髭を整えているんだけどね。髭を生やしていなかった頃よりも、よっぽど容姿には気を遣っているんだよ。そんなこと知る由もないだろうが。

言うまでもないが、末吉事務局長は今回も姿を現さず。毎度の事乍ら、それも情けないが、久保労働者委員の言うことには、労働委員会からも、権限からしても末吉事務局長が団交に出ないのは、おかしいということは言われているようだ。
彼が責任から逃げずに、自らの職責を果たし、労働委員会(第三者機関)の調査に出席し、組合と向き合い、職場の労働条件について対等に話し合い、過去の過ちに真に反省することこそが、協会の名誉の為にも、協会会員への説明責任の為にも、当該が髭を生やしていることよりもずーっと大事なことなんじゃないの? くだらない人の粗探しをしてないで、少しは事務局長なら事務局長らしく振る舞い給え!

そんなことで、えも言われぬトホホな徒労感のうちに第3回調査を終えたのであった。

…The end

[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第3回調査報告」への2件のフィードバック

  1. 野村克弥

    当該さんの髭、写真で見ると上品でいいではないですか。スーツにあっていますよ。何の問題があるのでしょう。今の時代、髭の人はたくさんいますよね。知的当事者関係では、全日本育成会の松友常務理事が、なかなかの髭でした。団体の顔である常務理事ですが、髭が問題になったということは聞いたことがありません。それと、髭の手入れというのは大変なようですね。この報告を読んで初めて知りました。髭は、もはやファッションですね。

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    1. jaidunion

      コメントとお褒めのお言葉ありがとうございます。
      松友さんは立派な髭でしたね。協会の元会長で現顧問の加藤さんも髭がトレードマークのような人でした。

      問題なのは、仮に髭剃ったって、協会は嫌がらせ・排除をやめる訳はないし、第三者にこんな愚説が通用すると思って、労働者の人格権や自己決定権を理解してないことを、恥ずかしげもなく開陳してしまう困ったちゃんであることですね。

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