[職場闘争]2024年三六協定締結に向けて、意見・要望を出そう!

2023年10月2日(月)の職員会議(尚、協会では「事務局調整会議」と言っている)で、2024年1月からの時間外・休日労働に関する協定(所謂「三六サブロク協定」労基法36条に基づく)協定届案と協定書(協定届に記載されない事項を補足する任意の労使での協定書)案が配布された。

職員会議の席上では協定届案と協定書案が配布されるだけで、大事な説明が足りないことがままあるので、例年、当該組合員が都度その場で、法改正が反映されているかを確認している。しかし、今回は、2019年4月の労働基準法改正による時間外労働の上限規制から、一部の業種:建設業・運送業・医師等での適用が5年猶予され、2024年4月から猶予期間が終了し該当業種にも適用されることになったが、協会の業務とは関係がないので特に言うことはなかった。

ただ、これに加えて職員会議の席上、当三六協定締結に係る労働者代表選出の「方法」について、10月16日(月)10:00から協会会議室で、職員間で「自主的」に話し合えという場と時間、集合を指示された*
実は、これと同じことは2023年2月10日(金)にも行われた**。しかし、そもそもの話、協会管理職が日時・場所を指定して話し合え等と言う事自体、「自主的」どころか「介入」であり「管理」である。さらに、2月10日に行われた「話し合い」の場では一部の職員によって酷い議論妨害が行われたのであった***

* 2月10日に行なわれた話し合いに比べれば、10月16日の話し合いでは露骨な妨害行為は無かったものの、そもそも、民主的で望ましい労働者代表選出は使用者側がその様な環境を整備すればいいだけの話なので、一通り、参加した職員に力説はしたが、徒労感ばかりが募るものであった。しかし、一部、当該組合員の提案への意見は貰えたので、協会との今後の交渉には使えるだろう。
** 何故、2月10日にこういう事が行なわれたかというと、2023 年1月17日(火)に行なわれた第17回団体交渉の議題であった、投票方式による労働者代表選出の要求の協議の中で、議論自体は平行線ではあったが、協会が当該組合員の提案を事務局職員に説明する機会があっても良いのではないか、という回答が有った。それについては我が組合としても方法について他職員に説明する事そのものを拒否する理由も無かったし、我が組合と協会が団体交渉で何を協議しているかを職員に知らしめる事も出来る為、受け入れた事に依る。
*** 本記事後段の意見書にそのあらましを述べて抗議している。

結果的に、2024年の三六協定の為の労働者代表者選出は挙手でやることになったが、もし“挙手”によって、当該組合員が労働者代表選出された暁には、協会が以下に転載するの組合要求を受け入れなかった場合、三六協定は締結しない!ことを宣言しようじゃないか。(笑…でも、マジで)

…さて、我が組合の2023年の三六協定への要求事項はほとんど撥ね付けられていたので、今回は若干補強して、“粘り強く”そして“しつこく”協会に要求していく。

協会は三六協定締結に際して、10月19日(木)までに全職員に意見を求めている。
いつも、我が組合だけが要求や意見を出しているが、何も遠慮する事など無い。折角の機会だ。それに、2024年1月1日からの三六協定締結にはまだ時間がある。
是非、時間外労働・休日労働について、言いたい事や改善して欲しい事を協会に伝えようではないか。

以下、2024年次の三六協定締結について、2023年10月19日付の当該組合員及び我が組合の「2024年三六協定締結に関する意見書」を転載する。


Ⅰ.時間外労働・休日労働全般について

1. 三六協定は法定労働時間を超えて働かせるための使用者の免罰的効力のための労使協定であり、労働者が締結を拒否すれば使用者は時間外労働・休日労働を命じることができない。よって、時間外労働・休日労働を行わせようとするならば、法定労働時間を超えて労働しなければならないこと、さらに特別条項に記載される特別な事情が時間外労働の上限を超えて必要か否かを判断できるよう、2023年に生じた職員の時間外労働・休日労働の実績を具体的に示すべきである。

2. 前項1.と関連して、特定職員への業務過多・業務偏在により、恒常的な超過勤務を余儀なくされたり、ましてや、労働基準法違反である賃金未払残業・超過勤務(所謂、「サービス残業」や「サービス休日出勤」)があってはならない。
職員の健康維持及び安全配慮並びに法令遵守の観点から、なるべく時間外労働・超過勤務・残業が生じないような各担当部署・職員の業務の見直しや適正な労働時間管理、労働組合によるチェック体制の確立、労使による職場風土の改革、あってはならない賃金不払残業・超過勤務の根絶に向けた取り組みを団体交渉等により適宜行うこと(⇒「賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針について」平成15年5月23日 基発第0523004号 都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)。

Ⅱ.三六協定届及び特別条項並びに協定書について

1. 今後の業務の見通しを含めて、やむなく特別条項を含めて三六協定を締結しなければならないとしても、三六協定届の「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」と然程違いのない事項は極力省くべきである
「業務の都合上必要な場合」「業務上やむを得ない場合」などの理由から、恒常的な長時間労働を招くおそれがあるものを定めることは認められていない(⇒「労働基準法第36条第1項の協定で定める労働時間の延長及び休日の労働について留意すべき事項等に関する指針」平成30年9月7日 厚生労働省告示第323号 第5条)。

2. 特別条項にある月45時間を超え60時間以内の時間外労働の割増賃金率は、最低基準である25%を超えてはいるものの、使用者にはこれを引き上げるよう努力義務が求められている(⇒平成21年5月29日 厚生労働省告示第316号)。
よって、「限度時間を超えた労働に係る割増賃金率」は月45時間を超え60時間以内の割増賃金率を、現行の30%から35%に引き上げることを要求する。これに伴い、協定書の第3条の「1年に420時間まで延長することができる。1ヶ月45時間を超えた場合または1年360時間を超えた場合の割増賃金率は30%とする」も「1年に420時間まで延長することができる。1ヶ月45時間を超えた場合または1年360時間を超えた場合の割増賃金率は35%とする」に変更することを要求する(⇒厚生労働省労働基準局監督課「モデル就業規則」令和5年7月版)。

3. 改正労働基準法の趣旨に則り、特別条項の「限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保するための措置」に、⑥のほか、④代償休日・特別な休暇の付与を加えることを要求する。併せて、就業規則第10条に「職員の勤務状況及び健康状態に応じ、その健康・福祉を確保するために、その都度必要と認める期間」等の規定を加えることを要求する
年次有給休暇は、労働者の心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇であり、限度時間を超えて労働しているか否か、連続して取得するしないにかかわらず、取得を促進すべきものである(⇒働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律〔平成30年法律第71号〕労働基準法の一部改正〔平成31年4月1日〕第39条)。よって、限度時間を超えて労働させる労働者の健康を守るためにも、年次有給休暇とは別に、その勤務状況及び健康状態を把握し、必要とされる休養が図られなければならない。
なお、限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置の実施状況に関する記録は、三六協定有効期間中及び当該有効期間の満了後5年間保存しなければならない。(⇒労働基準法施行規則 第17条第2項)。

4. 長時間労働を恒常的に発生させないためにも、協定書には任意の条項として、
「協定の有効期間中であっても、協会が本協定に違背した場合、労働者代表の破棄通告により本協定は失効する。」
を加えること。これは、労使協定の労働者側からの一方的な破棄通告ではなく、使用者側が協定内容に違背した場合を想定した付加条項である。又、
本協定について変更が必要となった場合や疑義が生じた場合は、協会と被用者双方で協議を行い、協会は速やかに改善に努めるものとする。
「協会は時間外労働並びに休日労働について、不断に削減の努力義務を負う。」
を加えること。本項に要求する付加条項と類似する条項が就業規則にあったとしても、就業規則と、面罰的効力を発生させる労使協定とは質を異にするため、協定書においてあらためて条項として加えることを要求する。

Ⅲ.労使協定等に係る労働者代表選出の在り方について

1. これまでも当該組合員及び当組合が指摘し、又、団体交渉で議題として協議を重ね、当該組合員からも詳細な労働者代表の選出方法を提案してきたところだが、労使協定締結における労働者代表選出は、労働者過半数代表になった者・なろうとした者への不利益取扱いの禁止事項(⇒労働基準法施行規則 第6条の2 第3項)もあることから、使用者からの干渉が行われないよう、労働者個々人の自由意志が保障される代表選出方法でなければならない。
管理監督する立場にある者が労働者代表選出の議事進行を取り仕切ったり、関与したり、その場に立ち会うような挙手による選出は、選出過程における同調圧力や私交上の影響を排除できず、公平公正さを欠くため、労働者代表の選出は無記名の投票と投票の秘密が保持される秘密選挙が望ましい方法であることは論を俟たない。これは公職選挙等における投票の秘密(⇒日本国憲法 第15条 第4項)と同様、労使対等原則の下に締結しなければならない労使協定の場合でも、個々の労働者が各々の自由意志によって一票を投じるための選挙制度の基本原則であり、民主的で開かれた良好な職場環境の構築にとって枢要となるものである。
2016年に貴会において初めて労働者代表選出が行われた際に、挙手による代表選出方法が採用されたのは、偶々当時の貴会顧問弁護士の助言によるものに過ぎない。法令には挙手も例示されてはいるものの、投票も同様に例示されていることから、従前からの慣行に拘泥せず、より望ましい方法に改善すべきである。実務的な面からも、一定期間の時間的猶予を設け、労働者代表の立候補者を募り、その立候補の主旨や主張を周知させ、投票により労働者代表を選出する方法は、業務多忙の中で全職員が一堂に会することによって職員が物理的に拘束される挙手による選出方法の欠点も解消することができる。
労使による選挙管理委員会を設置し、投票の秘密が保障される労働者代表選出を行うために、業務多忙かつ限られた時間の中で、拙速に選出方法を職員に丸投げして判断させ、それで事足れりとするのではなく、使用者も必要な配慮と体制を整備すること(⇒「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成30年厚生労働省令第112号)による改正後の労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)」)を改めて要求する。

2. 2023年2月10日に、貴会管理職の指示により職員間で労働者代表選出「方法」について、話し合う場を設定された。当該組合員及び当組合が従前より貴会に提示していた「公正・公平で民主的な労働者代表選出のための投票方式による提案書」(抄出)を職員に示すことは吝かではないため、それを受け入れたが、一部の職員らが労働者代表選出「方法」とは無関係の話題を持ち出し、当該組合員の職員への説明の妨害を行った。加えて、職員同士の話し合いが散会となった後、貴会管理職らが、三六協定未締結や労働基準法違反について、当組合との団体交渉で発覚し法令遵守に至った事実を歪曲・糊塗し、当該組合員及び当組合に対して終始嘲笑的に欺瞞を弄するなど許し難い態度があった。
たとえ、労働者代表選出「方法」について議論できる場があったとしても、当該組合員及び当組合に敵対的態度を露わにし、議論の妨害を行われては、あるべき公正・公平で民主的な労働者代表選出方法を職員間で真摯に検討することなど不可能である。
貴会に根強く蔓延る組合嫌悪・組合敵視姿勢は、正常な集団的労使関係を著しく歪めるものであり、強く抗議し猛省を求める。

3. 本来、労使協定等で労働者代表が如何に民主的に選出され、協定を結び、又は意見を表明することができるかが重要である。しかしながら、現行の方法には問題もあり改善すべき点があること、公正・公平で民主的な労働者代表選出が行われる様に貴会が環境整備を行うべきであることを当該組合員及び当組合は貴会に再三にわたり提案を行い、要求している。
本節1.で述べたように、無記名・秘密選挙による投票は民主主義の根幹を為す選挙の大原則である。労働者代表選出「方法」について職員間で課題を共有し、共通理解を深めることの重要さと、貴会の責任においてより望ましい民主的な労働者代表選出のための環境整備を行うこととは別な議論である。

4. これまでも団体交渉で議題として取り上げ、協議を重ねてきたが、今後行われる労使協定締結等に際し、当該組合員が貴会に提案した2020年9月9日付「公正・公平で民主的な労働者代表選出の投票方式の提案書」を参考にし、労働者代表選出方法を貴会に責任の下に再検討されたい。使用者の意向に基づかず、集団凝集性の影響、集団規範による無意識の集団圧力の心理的影響のリスクを排した、民主的な方法による労働者代表の選出に向けて、使用者側が講ずべき環境整備を行い、投票方式の労働者代表選出を実施することを要求する。


昨年と同じ繰り返しになるが、当該組合員もかつては散々“サービス残業”や“風呂敷残業”、“サービス休日出勤”をしてきたし、他の職員もそうだった。流石に当該組合員はやってはいないが、今でも変わらない現実があるのではないだろうか。
しかし、業務過多・業務偏在を一職員に押し付けて、職員のワーク・ライフ・バランスを破壊し、健康を害する様なことがあってはならい。こういう事態が常態化するのは管理職の怠慢以外の何物でもないのだ。

協会事務局職員諸君! 諸君の意見・要望を協会に伝え、要求実現を勝ち取ろう!

…The end

コメントを残す