[告知]精神保健福祉士資格取得 〜Psychiatric Social WorkerからMental Health Social Workerへ〜

当該組合員は、2022年の第34回社会福祉士国家試験に合格し、同年に社会福祉士登録。引き続き、2023年2月4日(土)に行なわれた第25回精神保健福祉士国家試験(専門科目)を受験して合格。4月14日、精神保健福祉士登録証が届いた。
昨年、本組合掲示板BLOGで[告知]社会福祉士資格取得 part 1でも同じ様なことを書いているのだが…これからは堂々と「精神保健福祉士」“Psychiatric Social Worker / Mental Health Social Worker”と名乗れるぞ!っと。
但し、実務経験はないので、単に試験に合格して、資格取得・登録したってだけなのは社会福祉士の資格取得・登録と同じである。

2020〜2021年、社会福祉士一般養成施設(通信課程)で1年6ヶ月学び*、なんとか修了は出来たものの、時間に追われていて**、とても国家試験に向けた勉強に身が入らず、一度は2022年の受験を諦めかけたが、時間とお金を無駄にしたくなかった為***、年明けからテッテー的に試験勉強を行なった。
さて、この自己奮起のお蔭で、やればできるもんだなと変な自信が付いたことから、また、自己採点で70%超の正答を得ていた為、第34回社会福祉士国家試験の合格発表も待たずに、即、近場の精神保健福祉士短期養成施設(通信課程)の入学ガイダンスに参加し、入学を決めたのであった。

* 因みに協会の社会福祉士養成所ではない。理由はこちらを参照。
** 当時は2018年から続いた都労委闘争も佳境に入っていた。
*** この辺の経緯は、“私的”社会福祉士国家試験一発合格への道(5)〜(初受験者も再受験者も)直前まであきらめない!〜を参照のこと。

これも社会福祉士資格取得の記事で述べたことと同じ繰り返しだが、専門性や能力とは関係なく、情実人事が幅を利かせている日本知的障害者福祉協会の事務局に居ても精神保健福祉士の資格を活かせることはほぼないばかりか、社会福祉士養成所の担当者以外のほとんどの職員が無資格者なのにも拘らず、資格を持っていることによって、かえって煙たがられる…というか、何の評価もされない。
かつては協会の社会福祉士養成所の教員で、社会福祉士と精神保健福祉士の両資格所有者が居たことはあったが、現協会事務局で精神保健福祉士資格を有しているのは当該組合員だけである。

協会は「キャリアパス」云々と見栄えの良いパンフレットを作成したりしているが、協会事務局の実態は、「キャリアパス」も「キャリアラダー」も無く、re-skillingやrecurrent educationによる職員の人材育成や経営戦略に全く無関心である。
偏に事務局長はじめとする協会管理職の理解と度量を超えることだろうし、保身と現状維持に手一杯で大局的な視点を持てないだろうことは、側から見ていて良く判るのである。まあ、情けないことこの上ない…。

それでは、何故、精神保健福祉士の資格を取得したのか、精神保健福祉士短期養成施設で何を学んだかを少し紹介したい。
これも前回同様、自分語りが多いので、ご勘弁を。

元々精神保健福祉士志向であった

何で当該組合員が精神保健福祉士になったのかというと、現在の生業である編集者の道を歩む前に心理専門職に成りたかったということもあって、臨床心理士か公認心理師で研究と臨床実践を積みたかったのだが、この歳になって働きながら大学院で研究するのは時間的にも経済的にも厳しく、専門職としての範囲は異なれど、重なる部分がある精神保健福祉士の方に元から興味・関心があったからである。

社会福祉士資格の取得は、精神保健福祉士短期養成施設からの国家試験受験ルートの為…と言ってしまえば身も蓋もないが、実利的には間違いがない。
しかし、誤解無き様に付け加えると、社会福祉士一般養成施設での学びはsocial workの基盤、人を助けることとは何かを深く考えさせてくれるもので、とても刺激的かつ有益であったことは事実である****

**** [告知]社会福祉士資格取得 part 2 〜何故、人は人を助けるのか〜

あと、もう一つ重要なこととして、社会福祉士資格を先に取得したのは、協会の社会福祉士養成所のスクーリング会場でこれまで組合情宣を行なってたが、協会の社会福祉士養成所の学生さんに訴える手前、無資格者だとヒジョーにバツが悪いという理由もあった*****。(笑)

***** 協会の社会福祉士養成所のスクーリング会場で2回、組合情宣を行なった。詳細はこちらこちらを参照。

互助会の資格取得祝金がもらえる

これも前回同様、協会がやっている会員互助会事業「さぽーと倶楽部」に加入していれば、社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・公認心理師・(協会認定資格の)知的障害福祉士資格を取得すれば1万円が貰える。
協会事務局職員は加入しているので、折角だから、また貰えるものは貰っておこう。
I tried again and I did it!  ^ ^Y

キツかったけれども楽しかった精神保健福祉士短期養成施設での学び

社会福祉士一般養成施設は期間が1年半なので、時間的なゆとりがあったが、精神保健福祉士短期養成施設(通信課程)は4月に入学してその年の12月に修了の9ヶ月間である。
この間にレポートやスクーリング、医療機関と地域施設の2箇所で210時間の現場実習(社会福祉士の相談援助実習履修者は地域施設での実習は60時間免除)を熟さなければならず、これは働きながらだと結構キツい。
私のレポートの成績は概ねA評価だったが、「精神保健福祉に関する制度とサービス」の2回目のレポートで心神喪失者等医療観察法(医療観察法)を結構強く批判したところ、不合格******・再提出になってしまい、修了できるかどうか12月まで怪しく、不安でいっぱいであった。何故なら学校修了と同時に即、国家試験の受験対策勉強も始めなければならないからである。

****** 同期の学生さん達にその話をしたら「どんなこと書いたの、読んでみたい!」とか、反保安処分闘争の仲間からは「学校のレポートでしょ?そんなこと書いちゃダメだよ!」と笑われた。~ ~;

精神科病院や精神科診療所、精神科デイケア、精神障害者の施設・事業所での実習を楽しみにしていたのだが、当時はまだCOVID-19が猛威を振るっており、医療機関は固より、地域施設でも現場実習が不可となり、オンラインでの実習となってしまったことが非常に残念なことであった。
精神保健福祉士の働きや利用者との関わり、退院支援や地域との連携を肌で感じられなかったことは本当に心残りである。
しかし、1つの医療機関、1つの地域施設に配属されるよりも、創意工夫し様々な実践を行なっている病院や施設を見学できたことにより、見聞を拡げることは「転禍為福」であった。

ただ、精神科病院の精神保健福祉士の業務については全くの無知であったことも思い知らされ、支援の対象者像に自身の先入観が多々含まれていること、ありのままに支援の対象者を捉えなければならない自己覚知に思いを至らせることができたのである。

また、これも恥ずかしながら知らなかったことだが、精神科病院から退院して地域の施設・事業所に通っていたり、依存症からの回復を目指して自立訓練(生活訓練)や地域活動支援センターⅠ型で職員やピアサポーターとして働いている精神障害のある人が、結構な割合で精神保健福祉士資格を有していること、障害の無い支援スタッフもほとんどが精神保健福祉士であることに驚いた(実習先として相応しいからということもあるかもしれない)。
職員全員が国家資格を有している知的障害関係の福祉施設・事業所はあまり聞いたことがない。

その他、医師・看護師・作業療法士と当事者を交えたケースカンファレンスなど、Inter-Professional Work: IPW(他職種連携)による実践を通して、専門職のcompetencyを高める在り方は目から鱗が落ちる思いであった。

当初、実習配属が不可だったことからがっかりはしたものの、大変勉強になったし、とてもいい学びの糧を得られたのは事実である。

Psychiatric Social WorkerからMental Health Social Worker

社会福祉士資格を持っている人には、是非、精神保健福祉士の資格取得にも挑戦してほしい。
高齢分野で働く社会福祉士は認知症の人達の支援も欠かせないだろうし、障害施設で働く社会福祉士も利用者の中には精神障害・発達障害を合併している人も支援の対象となるだろう。
生活困窮者支援に精神障害に関する知識とは無縁では無い筈だ。
医療ソーシャルワーカーも精神科リエゾンチームによる患者の精神保健・心理的支援にコミットする必要もあるだろう。

日本の精神医学・精神医療(psychiatric)に関わってきた長い歴史を持つ精神科ソーシャルワーカー(PSW)は、近年、労働・産業分野にもその職域を拡げてきている。
労働者のmental healthは職場の喫緊の課題でもある。PSWは精神保健ソーシャルワーカー(MHSW)として広く人々の精神保健を支援対象とすべきである。

2022年の障害者総合支援法改正(所謂、束ね法)に伴い、精神保健福祉士法第2条(定義)は以下の様に改正された。

第2条 この法律において「精神保健福祉士」とは、第28条の登録を受け、精神保健福祉士の名称を用いて、精神障害者の保健及び福祉に関する専門的知識及び技術をもって、精神科病院その他の医療施設において精神障害の医療を受け、若しくは精神障害者の社会復帰の促進を図ることを目的とする施設を利用している者の地域相談支援(障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条第19項に規定する地域相談支援をいう。第41条第1項において同じ。)の利用に関する相談その他の社会復帰に関する相談又は精神障害者及び精神保健に関する課題を抱える者の精神保健に関する相談に応じ、助言、指導、日常生活への適応のために必要な訓練その他の援助を行うこと(以下「相談援助」という。)を業とする者をいう。

精神科病院での長期の社会的入院からの退院支援によって、精神障害者が普通に地域で暮らせ(知的障害もそうだが)、早期発見・重症化・慢性化を防ぎ、mental healthに関する総合相談とその支援を行なえる様、当該組合員も本業の他にその分野で何か力になりたいと思っている。協会にもその様な視点や他の障害分野にも目を向けて欲しいものだ。

これから精神保健福祉士を目指す人の為に、私の精神保健福祉士国家試験(専門分野)の受験勉強・合格体験も、“私的”社会福祉士国家試験一発合格への道シリーズ同様に少しばかり紹介しようかと思っている。

…The end

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