就業規則等再改定案が示される
就業規則改定案に対して4月10日に当該個人名義で意見書を提出したことはこちらとこちらで報告したところであり、当該としては、それがどう反映されるのかはこれまでの経緯から期待薄だったのだが、なんとなく、我が意見書に対してどう対処するかを(準)管理職たちが謀議している節があったことはなんとなくわかっていた。なにせ、5月8日(月)の職員会議「事務局調整会議」でそれを受けての労働者代表選出が行われるからだ。
その後、4月20日に組合的なイベントとして、4.20南部春季統一行動が行われ(これは、いわば東京都下の各地域合同労組版の春闘統一要求行動のような感じのもので、各地域合同労組でかなり前から日程調整が行われている)、その第一弾が福祉協会の現場闘争だった。当日は40名の闘う労働者が結集し、協会(準)管理職に対して大きなインパクトを与えたことは現場報告の通りである。
我が組合掲示板(本ブログ)でも就業規則改定案に対して批判記事を掲載したことと、4月20日の大規模な協会前情宣行動・抗議集会が功を奏したのか、予定外に4月25日に職員を集めて再改定案が職員に配布され、O常任理事と末吉事務局長から、職員から提出された意見書(私以外のだれが提出したのかわからないが、内容からして自分以外にはいなさそう)に逐一答える形で、再改定案の説明がなされた。
それ自体はこれまでの協会の対応に比べれば評価に値すべきことだし、この1年余り、当該組合員が地域合同労組に加入・公然化し、団体交渉と現場行動で、労使対等な関係の構築を訴え、理解を促してきた成果であるとも言える。また、当該が個人名義で提出した意見書で指摘した誤記や疑問を感じる箇所についても、当然といえば当然だが、訂正や改善が図られた点があることを以下に記しておきたい。例えば、以前の記事で指摘したこの条項、
(制 裁)
第52条 職員が次の各号の一に該当する場合には制裁処分を行う。
…
(6)セクシャルハラスメント、パワーハラスメント及び育児休業等に関するハラスメントにより、他の職員及び本会に不快感又は不利益を与えたとき
これは以下のように改められた。
(6)セクシャルハラスメント、パワーハラスメント及び育児休業等に関するハラスメントにより、他の職員に不快感又は本会に不利益を与えたとき
意味不明な文だったが、兎も角も文意の通る妥当な修正が行われた。
さらに、第5回団交でも指摘した、2013年4月の就業規則改定において、事前に職員に説明なく勝手に加えられたこれ、
(時間外労働等の短縮努力)
第39条 職員は業務の合理化、効率化を図り、時間外勤務、休日勤務を極力少なくするよう努力しなければならない。
についても、以下のように改められた。
第39条 本会及び職員は業務の合理化、効率化を図り、時間外勤務、休日勤務を極力少なくするよう努力しなければならない。
これは、第5回団交で回答要求していた事項について、2017年3月10日に組合宛に協会から回答があり、その経緯説明の信憑性に疑義があるものの、従前の管理監督者ではない職員に長時間労働の責任を一方的に課すような条項を改めたことは評価できる。
その他、育児・介護休業等規則は自分の知る限りでは、まだ誰もこの規程に則って休暇や休業を行った職員がいないので、今後具体的な運用事例を鑑みて改善を図っていきたいところだ。その際には労使協議の上で、柔軟な対応や実情を勘案した規程の変更、そして、休業期間中(特に介護休業中)の所得補填を求めていきたい。まあ、それはとりあえず、今後の改善要求としよう。
しかし、肝心のハラスメント防止規程についてはそのままで、これは当該としてはとても承服できるものではない。
再改定案の職員説明会でもその点を指摘し、善処・再考を促すよう発言をしたのだが(これでも場が荒れないように気を遣ってるんだよ… 笑)、露骨な拒絶はされなかったものの消極的なもので、また「とりあえず、早急に改正法に則って整備しなければなりませんから、今後の検討課題としましょう」とO常任理事からの発言もあり、当該以外の他の職員からも意見がなかったために(疑問を感じていても言えないだろう)、第三者機関や委員会創設のためのロードマップも準備していなくもなかったのだが、やむなくその場では、それ以上この規程にこだわることを控えた。
協会からの回答に“お釣りを返す”
臨時の職員説明会の後、普段自分には寄り付きもしないのに、わざわざ末吉事務局長がやって来て「これ意見書に対する回答ですから」と「4月10日付の意見書に対する回答」A4判2枚の文書を手渡してきた。「そうですか。回答は特に要求してなかったんですけどね」と答えて、受け取った。ほぼ時を同じくして、O常任理事から同回答書が組合宛にメールで送られてきた。
内容は、今般の再改定案の職員説明会で話した内容に則し、それを補足するものであり、例のハラスメント防止規程を除けば、妥当で丁寧な回答であった。しかし、よく読むと「え?なにこれ?」というところがあり、突っ込みどころやスキを残して、我がブログネタに心砕いてくれるのが、協会事務局管理職らしい心憎い配慮だ。(笑)
末吉事務局長もO常任理事も、なんとなく、自信満々“勝ち誇った”ような感じで持って来たので、そのまま受け取るだけにしておくか、どうすべきか悩んだ。しかし、今後も就業規則変更にあたって使用者側に認識しておいてほしいこともあり、反論・再意見書を提出し、一応言うだけ言っておこうと思い、「『平成29年3月25日付けの回答』(ママ)に対する再意見書」を、再び当該個人名義で2017年5月1日に提出。主要な箇所を掲載する(→ の後の下線部分が当該の再意見箇所)。
2017年4月25日に手交された「平成29年3月25日」付けの回答に基づき、今般の就業規則等改定案に対して下記の通り再度意見を申し述べます。
(就業規則)
…
2.第39条について 「本条項は職員からの意見により付け加えたものであり、時間外労働等の短縮については、いわゆる働き方改革の一つとして推進しているため削除はしないが、主語に「本会および」を付け加え「本会および職員は~」とし、労使双方の努力でこれまで以上に時間外労働等の短縮の推進に向けて取り組むこととする。」
→ 2017年3月10日に組合宛に回答のあった内容にある「職員からの意見」の信憑性に疑義はあるものの、従前の管理監督者ではない職員に長時間労働の責任を一方的に課すような条項を改めたことは評価できる。
3.第52条(6)「不快感」について 「ハラスメントの定義では、「他者に対する発言・行動等が本人の意図に関係なく相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えること」とされている。「不快感」を具体的に記すと、列挙したこと以外はハラスメントに当たらないと判断されることもあり得るため、広く適用するために本条項を置くものである。なお、本条項に「本会」を入れたのは、ハラスメント行為が本会の名誉・信用を傷つけ、不利益を与える場合もあるためであり、削除はしないが、書きぶりについては誤解のないように改める。」
→ 回答のとおりハラスメントの定義によれば、職員が被るものは「不快感」だけではない。服務に関する禁止行為である第27条10には単に「ハラスメント」とだけ記されている。「不快感」だけを明記する必要があるのか疑問を感じる。文意の通る条項の修正については妥当なものである。
(育児・介護休業等規則)
1.時短措置の回数について 「法的には3年間で少なくとも2回利用できれば問題はないこととされている。(本会顧問社労士より東京労働局雇用均等室に確認済み)2回以上にするか否かは、利用状況をみて今後検討する。」
→ 改正法の趣旨に従い、利用する職員への今後の柔軟な対応をお願いしたい。
…
4.苦情対応担当について 「法的には苦情の案件に対して対応・相談等の措置を講じれば良いこととなっており、顧問社労士に依頼し、国の示した雛形を元に改正案を作成している。意見書には「労働者と使用者で構成される委員会組織等」とあるが、最終的に解決を図るのは「使用者」(上司)である。また、事業所の職員数からみても、あえて委員会等を置く必要はないと考える。」
→ 社労士や弁護士はあくまで規則の雛形を示したり、適法性を検証したりするだけであり、個別の職場の過去の就業慣習や勤務実態を全て把握しているわけではない。実態を考慮しない規則変更は不利益変更ともなり得る場合がある。就業規則等の変更は労使ともに自主的に作成することが基本である。
使用者(上司)がハラスメントの加害者になった場合はハラスメントの苦情解決の公平性をどのように担保するのか。使用者(上司)は立場や職位の優位性によりハラスメントの加害者となり得る可能性が高いことは意見書でも指摘した通りである。客観性や合理性、公平性を欠くハラスメント防止措置は刑事や民事、労働審判などの訴訟リスクも生じさせかねない。真にハラスメントなどが起こらない健全な労働環境を目指すならば、組織の大小、従業員数の多寡にかかわらず、公正な第三者機関や労使での委員会を設置することは不可能ではなく、協会事務局のリスクマネジメントとしても重要な取り組みである。参考までに改正育児・介護休業法の第52条の2を下記に挙げる。
…(略)…
さらに、意見書で指摘した「現在労働組合から2013年4月1日の事務局調整会議での現事務局長の暴行・パワーハラスメント行為を議題として団体交渉が行われており、事務局長は組合との協議を拒否するなど不誠実な対応を行い、当該問題は解決をみていない」にも明らかなように、これは現状の事務局の職制下に苦情対応機関を置いてもハラスメント防止措置として機能しないことを示す証左である。また、この指摘について回答では触れられていないことは遺憾である。本規程の再考を求める。
(その他)
→ 回答の日付が「平成29年3月25日」となっており、回答者名も記されていない。回答は2017年4月25日の就業規則等変更の職員への再説明会の後、末吉事務局長から直接手渡され、また、同日組合宛にO常任理事から同内容の回答がメールで届いたが、末吉事務局長個人としての回答なのか、協会としての回答なのか不明である。正確な文書作成・管理を行うこと。
日付間違えちゃダメよ。ついでに発出者名も忘れずに書こうね…。がんばって考えて、自信満々持って来たのに、九仞の功を一簣に虧く、というか、協会事務局らしい、なんとも雑な仕事だ。
協会の回答は末吉事務局長から手渡されたのは先に述べたが、論理構成や文章表現からこの文書を作ったのは彼とは思えない。そそっかしい感じと言い回しからして、おそらく某課長代理に作らせたんだろうな。(笑)
さて、4月25日の再改定案の職員説明会で自分が発言している最中に、隣でうんざり・嫌そうな表情を露骨に表し、終わった後、わざわざ自分のところにやって来て、「会議室の椅子を元に戻せって前にも言ったじゃないですか!何度も同じこと言わせないでください!」と小姑(笑)的な怒りを露わにしてどうでもいい言いがかりをつけてきたのが、水内事業課課長代理である。親分(末吉)に逆らう奴は許さない!という番犬根性とケチつけられた腹いせに何か言い返さないと気が済まない性分なのは昔からだが、成長しないねぇ…。今でこそ、自分の「上司」ということになっているが、かつて自分がいくつかの仕事を教えていた頃に、併せてちゃんと人格を陶冶させてあげられなかったことが、これまで事務局内の問題、職場環境の悪化を引き起こしたことに繋がっていることを考えると、一概に彼女を責めるのも躊躇われる。とは言え、当初の不当労働行為発言といい、当該組合員への業務妨害・嫌がらせ行為の数々、これまでもいくつかたまっていることだし、また、折角ハラスメント防止規程・苦情相談窓口もできたことだし、早速試させてもらうことにしようか。■
…The end
意味不明な部分が改められて、とりあえずは前進ですね。
組合の指摘がなければわけのわからない就業規則のままだったはず。知的障害者福祉協会は世間様に恥を晒し続けるところでした。福祉協会は組合に感謝すべきです。
本当は経営側にとってもお目付け役の労働組合の存在が必要だし、組合の存在は経営にとって有益なのですが、経営側にパワハラや不正行為等の後ろめたいところがある場合は組合嫌悪姿勢が全面に立ってしまう。
組合の指摘・要求から逃げずに誠実に話し合う、事実を確かめる、その結果悪いことは悪いと認める。これができないのなら、ひたすら誤魔化す、逃げ回る、開き直る自公政権と同じです。職場は国政の相似形ですね。林
おかげさまで、少なくともプロセスの正当性を担保させることは、やるだけやった成果かと思います。課題は山積していますが。あとは他の職員も自らの労働条件や業務について、自由に発言、参画できるような職場にしていければいいですね。
おっしゃる通り、今社会に蔓延している「何を言っても変わらない」という学習性無力感をなんとか打破していくことが、職場・社会・政治に求められていると感じます。