【後編】が、リアルな末吉事務局次長(当時。面倒なので以下、殆どの登場人物の役職名は略すので悪しからず)の暴行・パワーハラスメント事件の経過で終わってしまった為、是迄の団交報告他でも記して来た事の繰り返しも含まれるが、協会がその後どういう対応を取ったかについて述べる。
配布されてもいない就業規則を机に投げつけた?
第1回団交でこの事実について、その時は団交に出て来た末吉に直接質問をぶつけたところ、「それは最初Iさん(当時の事務局長)が対応したが、こちらが止めようとした」「(当該が)就業規則を机にバーンと投げつけたから」等とおかしなことを言い出した。
は?投げつけた事実なんて無いんだが…。
それに加えて末吉は「前向きに一緒にやっていこうという姿勢ではなかった」等と意味不明なことを言っていたが、違法に勝手に就業規則を変更されて、黙っていられる訳がなかろうが!
そんなこんなで、当時の協会顧問弁護士の提案もあり、第2回団交で両者の言い分を書面で提出しようという事になった。
そこで、当該が提出した書面は、本記事【後編】の出来事をダイジェストした、是迄も記事にUPしているこちらの書面。そして、末吉が提出した書面の一部を以下に転載する(全文は第2回団交報告を参照乞う)。
「…事務局調整会議*が終了して、各職員が席を立ち始めた時、xx職員**が就業規則をテーブルに放り投げるなどの不適切な言動を行った***ことに端を発して感情的なやり取りになったことは事実ですが、xx組合員が主張するような、暴行の事実はありません。その場に当時の事務局長と数名の職員が残っており、やり取りを見ています。…」
* 月例の職員会議のこと。
** 「xx」は当該組合員のこと。以下も同様。
*** 太字強調は当該による。
【後編】でも記したが、当該組合員は2013年4月1日施行の改定就業規則が、当日の職員会議でも配布されずに、当時の事務局長Iが「じゃあ、配っておいてよ」と悪怯れもせず発言して会議が終了したことに憤りを感じたことが、この末吉による暴行・パワハラ事件の切っ掛けになっているのに、何で配布されていない就業規則を机に放り投げられるの?
事実、就業規則が配布されたのは件の職員会議終了後の、当日の午後に水内が職員に配布したのだった。
まぁ…この辺については、この団交の3年前の出来事であるから、彼の記憶違いだろうと当時は思っていた。
さて、この第2回団交でも前協会顧問弁護士の提案により、当該と末吉の双方の事実経過の文書を、その場に居合わせた者、具体的に名前を出すが、古屋・三浦・水内・Y氏(当時協会事業課係長、後にでっち上げ退職勧奨で職場を追われる)・I(J)氏(当時協会事業課係長、2021年末で退職)、そして当時事務局長Iに聞き取り調査を行ってはどうか、という事になった。それはそれで事実確認の一つの方法なので我が組合としては構わないが、しかし、前事務局長Iは末吉のパワハラに加担した人物で、回答させるには相応しく無いことから、後の団交で除外させた。
そして、実際に関係者に匿名で聞き取り調査(アンケート)を行った結果は、現協会顧問弁護士から2018年1月10日付で組合に届いた。
匿名とは言え、誰が証言しているのかは容易に推察できるもので、Y氏とI(J)氏は兎も角も、現協会管理職(準)の古屋・三浦・水内等の証言は予想通り、末吉の苦し紛れの言い訳・嘘に口裏合わせをした、とんでもない代物だった。
以下に、この事実についての回答以外の当該組合員への誹謗・中傷、個人攻撃に関する部分は省いて、要点に関わる部分を以下に取り出すをこんな感じだ(重要な証言になる太字強調箇所は当該組合員に拠る)。
質問1 2013年4月1日の事務局調整会議終了時·終了後、会議室で見聞きしたやり取りについて
証言者A-1「xx氏から提出された文書に関しては、「肩に掴みかかられ脅された」との記述があるが、そのような事実を見た記憶は一切ない。xx氏の文書には、会議終了後に「極めて失礼だ」と発言したとの記載があるが、xx氏は、配布された就業規則を投げつけ椅子にふんぞり返って足を投げ出すといった挑発的な態度をとっており、先に感情的になったのはxx氏であった。」
証言者A-2「配布されていた改正就業規則を机に乱雑に放り、嫌悪をあらわにした表情で横を向き、滑らせるように末吉氏の方へ押しやり、その態度が末吉氏及びI氏を挑発しているように見えた。…(中略)…末吉氏がxx氏に対する暴行行為及びそれに類する行為等は一切見ていない。」
証言者A-3「xx氏の態度は、椅子に深く腰掛け、腕組みをしたり、両足を放り出して座ったりという非常に横柄なものであったことを記憶しており、文書に表現された状況との乖離に強い違和感を覚えた。調整会議の終了後、xx氏が何か言葉を発すると同時に机に資料を放り投げたことを覚えている。」
証言者B「調整会議の後、「ちょっと待て」というところまでは聞き取れたが、掴みかかるところは見ていない。I氏、末吉氏の暴言は全く知らない。就業規則に関しては、その日の調整会議では配られていないと思う。そのため、退室の際に、xx氏が放り投げることはあり得ないと思う。xx氏が「全く失礼だ。」と言いながら出ていこうとし、その言葉を聞きつけたとき、末吉氏が大きな声を出したのは聞き取れた。」
証言者C「xx氏の文書は詳細な記録であり、末吉氏の文書は経過の記憶と思われるので、合致点と相違点について、比較することはできない。」
質問2 このやり取りについて、当時、どう受け止めたか
証言者A「このときの末吉氏は、挑発するようなxx氏の態度から、いつになく我を失い感情的になっているように見えた。一方のxx氏も、当初は平然と対等に、時に煽るような態度を取りながら言い返していたように見えたので、どちらかといえば個人的な諍い、喧嘩のような印象であった。また、詳細は覚えていないが、途中から仲裁に入ったI氏の発言に、仕事と直接関係のない個人的な事柄に関することなどが混じっていたように思う。」
証言者B「この件は、日頃からコミュニケーションが上手くいっていなかったことが大きな要因の一つであると思う。この問題が起きる前から、お互いに不満がたくさんあったと思う。」
証言者C「xx氏が「失礼だ。」と発言した直後、その発言に対し末吉氏が声を荒げてxx氏に近づき、手を肩にかけたように思う。近くにいた職員がxx氏と末吉氏の間に半身を入れるような体勢で入ったが二人の距離はなかなか離れなかった。そのときの様子は、末吉氏が胸を張った姿勢で上方から睨みながら顎をしゃくり上げたり引いたりしており、相手を威嚇する態度をしていた。また、その態度とともにxx氏に対し、非難するような言葉をかけていたように記憶している。その後、緊迫した雰囲気から若干落ち着いた状態になったが、末吉氏のその後のxx氏に対する発言は、集まった職員を意識した上で、非難するような内容であったと思う。」
質問3 その他思う事****
証言者A「当時、本当に暴行が行われたのであれば、警察に被害届を出すとか、病院で診断書をとるなどの対応をなぜ直ぐしなかったのか、数年経った後になぜこのような被害を訴えてくるのか疑問に感じている。」
**** この質問項目に関しては、当時(それ以前からの)当該組合員の“特殊な事情”によるものも含まれており、問題の末吉のパワハラ行為に関する事とは無関係な個人攻撃が含まれている為に省く。ただ、後々、協会が主張する珍論の元ネタになっているものだけを取り上げた。
…と、まあ、こんなものであって、末吉による「暴行は見ていない」=「暴行は無かった」ではなくて、末吉が暴行に及んだ時にその場に居合わせたのは古屋と元職員のY氏だけであり、それ以外の者はその後で会議室にやって来たから目撃している訳がない。
唯一、公平且つ真実の証言は証言者Bと証言者Cである。証言者A群は、個人的にどう思っているのかは調査の趣旨を逸脱するので無視するしかないが、末吉の「就業規則を放り投げた」といった言い訳なのか勘違いなのか…に現協会管理職連中が口裏を合わせた回答であることは明らかである。
証言者Bは「就業規則は配布されていないから、放り投げることはできない」と言っているにも拘らず、また、証言者Cは「末吉が掴みかかってきた」と証言しているにも拘らず、協会の結論は、“末吉による当該組合員への暴行・パワハラは無かった”というとんでもない結論を出したのだった。しかもその理由らしきものは“ケーサツやビョーインに行かなかったから”という、奇想天外で珍妙な理屈からの様だ。
嘘証言は受け入れ、末吉と協会にとって都合の悪い証言は切り捨てられてる等、何の為に関係者から聞き取り調査(アンケート)を行ったのか意味が解らん。
配布されていない就業規則を机に叩きつけた、という理屈の通らない話で、末吉の暴行・パワハラは無かったという出鱈目な協会の結論について、2019年6月6日の都労委の審問では、こんな遣り取りがされている(都労委「令和元年6月6日 平成30年不第15号日本知的障害者福祉協会 第1回審問速記録」から)。
争点1 不誠実団交に関する主尋問
(南部労組A) じゃあ、甲44号証を示します。このアンケート回答まとめですが、これを読んでどう思いましたか。
(当該組合員) そうですね、いろいろ証言食い違っていて、特に感じたのは、末吉さんが就業規則を、私が机にバーンと投げつけたという、どう考えてもうそなんですけれども、それに同調する職員が複数いたというのがちょっと、まあ、驚きというか、まして、まあ、これはどう考えても明らかに虚偽証言だなというふうに感じました。
(南部労組A) 配布されていない就業規則について投げつけたというのは、事実と違っていれば、明らかに虚偽証言ということですね。
(当該組合員) はい。
(南部労組A) 口裏を合わせたという形になるということですね。
(当該組合員) はい。
(南部労組A) このアンケートの中には、「末吉さんがxxさんにつかみかかったと思う」というような記載もあると思いますけれども、O常任理事の陳述書、乙7号証には、「末吉さんの暴行と評価できるような事実があったとは認識しておりませんでしたし、現在もその認識に変わりはありません」というふうに、直近で結論づけていますね。
(当該組合員) はい。それについては、異なる証言がある以上、何でそう結論づけられるのかというのが全く理解できないなと思います。実際の話、このようにいろんな証言があって、なった場合、やはりここは当事者間で、対面でちゃんと話、協議するというのがこの問題解決には一番重要なところではないかと思います。
争点1 不誠実団交に関する反対尋問
(協会顧問弁護士) 結局、3 回目以降は末吉さんが参加しなくなって、アンケート調査が実施されたということだと思うんですけれども、アンケート調査自体の結果、結果自体に関しては、あなたとしてはどう感じてらっしゃいますか。
(当該組合員) 先ほど申し上げたとおり、主尋問のときに申し上げたとおり、私が就業規則を机に乱暴に放り投げて、それで末吉さんが怒ったという、感情的になったという記載があるんですけれども、そういう事実はありませんですし、実際、就業規則は配られてない。配られてないんで私が抗議したんであって、そこで配られてた ら、別にそういうことはしてなかったんですね。なので、それに同調するような職員3名の証言というのがあっ て、何なんだろうなというか、口裏合わせしているのか、単に同調してるのかどうなのか、そういうことは感じました。
(協会顧問弁護士) 就業規則以外の書面を放り投げたというか、投げつけたという事実はありますか。
(当該組合員) いや、そういうこともしてないです。
(協会顧問弁護士) ないですか。
(当該組合員) もしそう言うんであれば、そのとき、じゃあ、何か書面らしきものが配布されたのか、ちょっと教えてほしいなと思います。
(協会顧問弁護士) あなたが個人的に持ち込んだ書類を投げたということはありませんか。
(当該組合員) そんなこともしてません。
この様に、末吉と協会は保身と自組織防衛の為に、折角のアンケートも幼稚且つ恣意的な解釈で捻じ曲げ、末吉による当該組合員の暴行・パワハラ事件を無かったことにしようとしているのである。
都労委での和解直前の調査では、調査や審問で労使双方の書面を読み、証言を聞いている公益委員が、末吉の“特殊な事情”について、「私の裁判官時代にもこういう事件がありましたが…末吉さんがxxさんに掴みかかったんですよね。それが彼の心には引っ掛かっている所為で団交に出て来れなくなったんじゃないでしょうか」と言っていたので、「え?すみません。それって、協会がそう言っているんですか?」と確認したところ、「いや、これは私がそう思っただけです」と言っていた。
要するに、公平・中立な立場の第三者の誰が見たって、真実は一つという事だ。
結 論!
障害者施設での虐待が後を絶たない。そして、虐待は有耶無耶にされ、組織的に隠蔽されることも屡々だ。個別の虐待事件について逐一取り上げないが、日本知的障害者福祉協会の会員施設でも虐待事件が起きている。
障害者施設での虐待を防ぐ為に協会の取り組みは欠かせないが、足元の事務局が管理職の暴行を有耶無耶にして組織的隠蔽を行っていては、協会の虐待防止への取り組みなど何の説得力も持たない。
因みに、末吉は知的障害者施設の元職員である。皮肉にも彼が福祉の現場から離れて協会の事務局長というクソどうでもいい役職で禄を喰むことになったお蔭で、暴行を加えた被害者が、それこそ「うまく説明できない」「言語化をサポート」*****が必要な障害者施設の利用者ではなく、ガーガー物言う当該組合員であったのは、マクロな視点から見れば、不幸中の幸いであったのかもしれない。
***** 本記事【前編】の協会の変な回答を参照。
とは言え、この事件についてはその後全く進展を見せておらず、我が組合と協会とは継続協議の最中にある。
この末吉による暴行・パワハラ事件を有耶無耶なままにして作成された「職場におけるハラスメントの防止に関する規定」には何の実効性も無い。
当事者・加害者である末吉事務局長は、自分がやっちまったこの事件についてしっかりと認識し、反省し、言いたい事があるなら、ちゃんと団体交渉に出て来なくてはならない。
真にハラスメントの無い職場にする為にも、第二の被害者を出さない為にも。
協会会長の井上さん、どう思います?
最後に余談を…
この末吉による暴行・パワハラ被害で腹の虫が治らなかった当該組合員は、友人のアメリカ人に事の顛末を話したところ、驚いてはいたが、「暴力行為(violence)には厳しいアメリカでそんなことをしたら、社会的に大問題になるよ。だけど、そいつは随分stupidな奴だな。テコンドー2段のお前にそんなことするなんて!」と笑っていた。
護身術(호신술)で制してやっても良かったんだが、一応、奴は職場では“偉い上司”だからな…。ここが街角で個人的に喧嘩したのとは違う、職場のパワーハラスメント足る所以である。■
…The end