2016年11月25日 朝食を取りながら、NHK朝のニュース「おはよう日本」を見ていたら、阿部渉アナウンサーが「障害者の地域生活の先駆的な取り組みを紹介します」というようなアナウンスで、長野県中野市のある障害のある子を持つ家庭が映された。中野市といえば、北信圏域…福岡寿さんのところ?と思ったら、おお!我が『さぽーと』2016年9月号で取り上げた、社会福祉法人高水福祉会「総合安心センターはるかぜ」ではないか!
いち早く地域生活支援拠点事業として2016年6月に開設された「はるかぜ」は、入所施設の機能を地域へと拡大し、自宅・アパートからグループホームまで、街の知的障害のある人と家族へ365日24時間の支援を提供する。(福)高水福祉会は北信圏域でのこれまでの取り組みから、2010年の厚生労働科学研究「障害児・者の地域生活支援推進の機能強化の在り方に係る研究」に参加し、用意周到に進められてきたようだが、それ以上に、長らく入所施設の支援員であった野口所長の苦悩と熱い想いがあったからに他ならない。
人のその時々のライフステージにおいて、どんな生活様式を選択するか、本人の「最善の利益(Best interests)」でなければならず、自宅で家族と暮らすこともあろうし、アパートでの一人暮らしでもいいし、グループホームでの共同生活でもいいし、現在一番“手厚い”支援を受けられる入所施設ということもあるだろう。しかし、必要な支援の質・量や心の支え・安心はどこで生活していも、享受されることが一番よい。地域生活支援拠点という輪切りの事業はともかく、障害者の地域生活を支える取り組みは福祉関係者も地域住民も不断の努力が必要だ。
ただし、このようにこの事業も問題があり、既存の入所施設やグループホーム、訪問系サービス、ショートステイ、相談支援他の既存の障害福祉サービスを組み合わせることを前提にしているため、事業そのものは障害福祉サービスではなく、独自の施設整備費はなく財源の裏付けもない。市町村地域生活支援事業の地方自治体の補助金頼のみなので(だったと思うが、間違っていたら教えてください)、体力のある法人でなければできない。国負担の報酬算定と独自加算の増大が求められる。何度も言われているように、地域への追い出しではない真の地域生活・地域福祉はお金がかかるのだ。
『さぽーと』2016年9月号特集「地域生活を支える新しい仕組みづくり−安心した暮らしを求めて−」の特集として野口所長にご執筆・ご報告いただいた。本当は詳細にたくさん福祉に対する想いや哲学を語っていただいたのだが、なんせ誌面の紙数の都合上、割愛させていただいた部分も多く申し訳なく思っています。; ;
ご興味のある方はぜひご一読を!おすすめです!
…と、だんだん組合ブログっぽくなくなってしまったなぁ。■
…The end
最近さぽーとをまじめに読んでませんでした。大変失礼しました。
さぽーと編集者が記事について発信し、読者が編集者と交流できるこのブログはすごく貴重で意義深いです。
労働組合員であるなしに関わらず、さぽーと読者の交流の場になると思います。障害福祉で働く人のさぽーとへの関心を高めて、福祉協会の問題の改善にもつながっていけばいいですね。
ありがとうございます。編集会議では毎回、SNSなどでの読者とのインタラクティブな交流が話題に登るのですが、“大人の事情”によって、立ち消えになってしまいます。
皮肉にも、今の立場の方が情報発信しやすいので、ご意見や情報提供いただけるとうれしいです(そのうち、配転されたりして… ^^; )。