[職場闘争]不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第15回調査報告 & 第16回調査告知

不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件 第15回調査が、2020年1月10日(金)15:00から東京都労働委員会審問室において行われた。協会側は協会顧問弁護士とO常任理事、古屋総務課長、三浦政策企画課長。我々組合側は当該組合員の他、南部労組の仲間6名が集まってくれた。

今回も前回から引き続き、水内事業課課長代理の支配介入・不利益取扱いの件についての和解協議についてである。和解協議であるので、焦点化されている和解内容・調査過程の詳細に触れることは避け、前回調査からのざっくりとした内容にしかならないのはお許し願いたい。

前回、協会は課長代理は管理職ではなくヒラ職員だから、和解協定書に個人名の記載はやめよという詭弁を弄していたので、水内事業課課長代理(兼総務課課長代理)は管理職としての立場にあり、ヒラ職員とは言えないことを、協会の事務局規程やこれまでの協会の書面、陳述書、審問記録を基に明らかにした証拠と反論、そして、協会の珍妙な屁理屈など受け入れる気はない旨の書面を2019年12月23日に都労委に提出した。協会からもその理由が出された様だが、労使双方、真っ向から主張が対立しているため、労働委員会三者委員で協議するとのことで、その間、控え室で待機した。

暫くして、審問室に呼ばれ、労働委員会三者委員は課長代理が管理職か否かという件については労働委員会としての判断を示さないが、和解協定書には実名表記とするとしても、第三者に公表するにあたって、個人名をイニシャルにする等、配慮することはできないかとの打診があった。
12回調査で示されたなんちゃって救済命令っぽい提案もそうであったが、なんとも…というか、さすが…というか、何が何でも和解させたい手練手管の都労委の調整にはある意味感心した。三者委員から控室で検討してくれないかということになり、我々組合は控室に戻って協議。組合の各補佐人から色々な意見が出たが、この数十分の内に結論を出せる訳もなく、持ち帰りの検討ということになり、その旨を労働委員会三者委員に当該が伝えに行った(本当は都労委事務局だけに伝えるつもりだったが、結局、三者委員に当該組合員一人で直接、事情を説明した)。

但し、和解協定書での開示制限は設けないことは以前から言っていることでもあり、和解協定書にその様な文言を加えることはできないし、考え直すつもりも毛頭ない。さらに、協会の課長代理は「ヒラ職員に過ぎない」等という主張に至っては、それを認めることは和解云々という以上に、今後の労使関係にも影響を与える事柄であることから、それは断固として受け入れられない旨を伝えた。仮に、労働委員会の提案を受け入れるにせよ、口約束で…という訳にはならないだろうから、例えば、調査調書に記載する文言等、熟考したいことを伝え、組合としての結論を1月31日までに都労委に回答することとなった。

他の組合員の意見は様々だが、当該個人の感触としては、労働委員会三者委員が協会の詭弁を相手にしなかったことは真っ当な判断であったと思う。
…というか、そんなことを認めたならば、管理監督する立場にある者が行った不当労働行為からの救済申立の可否の根幹に関わる事態であり、協会も水内事業課課長代理がその様な立場にある役職であることを前提として、書面を提出し、審問で証言して来た筈だからである。全く以って今更何をか況んやである。

都労委事務局が勝手に付け加えた「第三者非開示」「口外禁止」条項に抗議

それとは別件で、前回調査で、次回期日調整の際に最初に配布された「和解協定書(案)」に勝手に付け加えられていた「第三者非開示」「口外禁止」条項の経緯についても、労働委員会三者委員に“軽く”問い質した。
どうやら、労働委員会三者委員も都労委事務局が配布された際に、その様な条項が入っていることに気が付かなかったとのこと。但し、非開示条項について、付け加えるという結論には至らなかったものの、その様な話は一部出たことは確かな様だった。都労委事務局の勇み足なのか、他の事件の和解協定書のcopy and pasteでそうなったのか、真相ははっきりしないが、当該組合員も参加した、2019927日の労働法連絡会・東京地労委対策会議の都労委交渉・申し入れで、都労委が準備している和解協定書には最初から「第三者非開示」「口外禁止」条項が入っている疑惑を追及し、その際に応対した審査調整課長は言葉を濁しつつ否定していたが、期せずして、その実態がここに明らかになったと言えるのではないか。
今後、“重く”追及をさせてもらうこととしよう。

shinjuku20200110

眺望新宿黄昏 2020.1.10

そんなやり取り含め、2時間が程経過し、労使双方が審問室に呼ばれ、次回第16回調査は、2020年2月13日(木)13:00からとなった。

…The end

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