時間外労働を行うことができる労働者数について
三六協定届には「時間外労働をさせる必要のある具体的事由」とその「労働者数」を記入する欄がある。昨年の三六協定から事務局の人員体制が若干変わっているにも拘らず、今回の三六協定の記入欄には昨年と全く同じ事由・人数が記入してあった。これには疑問を感じたので、例えば「会議・研修会にかかる作業」に「12名」とある。しかし、2019年12月現在、協会職員は管理職や契約職員、再雇用職員、臨時職員含めて全職員数14名しかいない。そこで、具体的に名前を挙げて、誰が含まれるのか示して欲しいと尋ねた。
古屋・三浦各課長は職員個々の名前を読み上げたが、11名しかいない。しかも、その名前を挙げた人員には就業規則上時間外労働ができない職員数名も含まれていたので、時間外労働を命ずることができる職員全員の実際の人数は9人だ。本三六協定を作成する際に協会は「複数の目で確認している」と言っていたが、実態はこんな有様である。
勿論、少なく届け出て、届よりも多い人数が時間外労働を行なっていた場合、三六協定違反となるので、結果的にそうならないようになっているのは、何というか“怪我の功名”みたいなものだが、要は何が言いたいのかというと、当該組合員の個人名義で提出した「三六協定他に対する要求並びに意見書」(以下、「意見書」と略)で記した様に、
「時間外労働・休日労働を行わせようとするならば、法定労働時間を超えて労働しなければならないこと、さらに特別条項に記載される特別な事情が時間外労働の上限を超えて必要か否かを判断できるよう、職員に現状の時間外労働・休日労働の実績が示されてしかるべきである。」
と、現状はどうなのかという実績を各職員に示し、実態に則した協定にすべきであるということである。協会に限らず、使用者側は得てして、許容される最大値で協定を締結してしまいがちであるので、時間外労働の削減努力を謳うのであれば、十分に精査し、労使協定を締結すべきなのだ。
加えて言うと、管理職・準管理職が就業規則上の残業を命ずることができる職員を把握していないことも問題である。
毎度毎度、当該組合員には終業時間だからとっとと帰れと促すので、とっとと時間で帰っているのだが、2019年12月25日、忘れ物をして17:45頃に事務所に戻ると残業できない規定になっている再雇用職員のIさんと水内事業課課長代理が『さぽーと』編集の打ち合わせをしているではないか。その後、18:00くらいまで話を続けていたことを本団交で話し、先の残業を命ずることができる職員・できない職員を管理監督する立場にある者が把握していないとはどういうことかと問うた。両課長は二人には注意を促すと言ったものの、O常任理事は「Iさんにも事情を聞かなければならない」「ただの世間話じゃなかったのか」などと言い出す始末だ。
…あのね、これまで当該組合員が少しでも時間を過ぎて残っているとギャーギャー言って帰らせたり、当該組合員を排除して水内事業課課長代理がI事業課係長(当時)と仕事の打ち合わせをしている実態は東京都労働委員会の不当労働行為審査で、書面でも提出したし、審問でも答えたはずだ。惚けたこと言ってんじゃない。
三六協定の健康及び福祉を確保させる措置と年次有給休暇を取得させることなど
新三六協定届の特別条項に新たに加えられた「限度時間を超えて労働させる労働者に対する健康及び福祉を確保するための措置」で、本三六協定届には「対象労働者に2日以上の連続した年次有給休暇の取得を促進」とあったが、年次有給休暇は超過勤務により長時間労働の代償で取得すべきものではなく、本来、労働者の自由利用が原則である。況してや、勤務年数の短い職員にとって年次有給休暇は貴重である。なので、「意見書」では、
「改正労働基準法の趣旨に則り、特別条項の「限度時間を超えて労働させる労働者の健康・福祉を確保するための措置」に、⑥のほか、④代償休日・特別な休暇の付与を加えることを要求する。併せて、就業規則第10条に「職員の勤務状況及び健康状態に応じ、その健康・福祉を確保するために、その都度必要と認める期間」等の規定を加えることを要求する。」
とした。
これに関連して、職員の年次有給休暇の取得率を尋ねたが、協会管理職はどうやら把握していない様子。2019年4月から施行された新労基法により、5日以上の年次有給休暇の取得が義務付けられたから、それはたぶんやっているだろうとは思うのだが、であれば、どのくらい職員が年次有給休暇を取得しているか大雑把にでも回答できるはずだ。しかも、それがどう三六協定と関係あるのかということがO常任理事には理解できないようで、「あなた三六協定届を見てます?」と言わざるを得ず、どうにも話が噛み合わない。協会顧問弁護士も「2日以上の連続した」に意味があると言うが、だから、年次有給休暇とは、心身の疲労を回復し、ゆとりある生活を保障するために付与される休暇であって、免罰的に法定限度を超えた長時間労働の代償休暇にしてしまうのは本来の趣旨とは違うって言ってんだが…。
当然、この三六協定届を当然承認していて、人事・労務管理の責任者としての回答ができる事務局長の末吉を団交に出さないと話にならない。
その他、厚生労働省労働基準局の「モデル就業規則」に準じて特別条項の割増賃金率を135%とすること、特に今回の様に従前と様式が変わった場合、職員が労使協定の内容を正しく理解できる様に新旧対照表を作り、丁寧且つ時間的余裕をもって各職員が精査できるようにすることを改めて要求した。
労働者代表選出方法について
労使協定や労働者の意見書添付の為の労働者代表選出については、公平・公正で民主的な選出がなされる様に、いきなりその場で挙手で選出するのではなく、秘密選挙により行うべきであることを、かねてより、協会には提案してきた。これに対して、協会はそれは職員が決めることというスタンスで“無関与”のポーズを取って来た為、2016年の初の労働者代表選出から一つも進歩していない。過半数労働組合でもあれば話は別だが、労使協定や労働者代表選出は職員任せでやれる様なことではない。
以前紹介した、とある福祉施設の事業場での労働者代表の理想的な選挙管理規程「労働者代表選挙管理規程(モデルケースとして)」は、本組合掲示板ブログでもアクセス数の多い記事である。この様にしっかりとした選管規程を協会に望むのは酷であるが(情けない話だが事実だ)、ここまで完成度の高いものでは無くとも、やり方・知恵の働かせ方次第で如何様にもできるはずである。
この件に関して、本団交で協会が投票がいいのか、従来通りの挙手がいいのか職員にアンケートを取ってはどうかという提案をしてきた。
え〜と、それは誰がやるのかな〜?その結果を誰が見るのかな〜?と既にヤな予感がした。なぜなら、協会は投票制にしても、誰が投票したかは筆跡で判ると下衆としか謂い様のないことを言っていたからだ。さっきそう言っていなかったっけ?と問い返したら、無記名で「◯」を付ける方法でどうかと。だったら、いっその事、労働者代表選出で「◯」付けの無記名投票にすればいいんじゃない?と思うんだが。敢えて2段階にする意味が解らんなぁ…と思っていたところ、古屋総務課長がこう切り出した。
(古屋総務課長) 確かに、xxさん(註:当該のこと)から意見出された投票に関しては、現状の我々の認識だと少数意見なんですよ。
(当該) それ、どういう意味?
(南部労組M) それは、あなた方が聞けば、少数意見になるでしょう。
(南部労組A) それこそ、アンケート取ったんですか。
(古屋総務課長) あの場でY君が代表になりましたけど、xxさん以外の方は全てY君に、手を挙げてましたんで。
(当該) 挙手しろって言ったから、みんなやったんでしょう?
(古屋総務課長) Y君に挙手は大多数だからね。
(南部労組A) 本来、民主的と仰るけれども、前のアンケートのときも、大分、そのことでお話をさせていただいたんですが。例えば、実感的に労働者が面倒くさいと思うとか、管理者がいたら配慮するとか、アンケートをする前提の情報共有が大事なんですよ。なんで投票がいいのか、民主的な選挙方法ってのはどういうことなのか、三六協定というのがどれだけ重要なものなのか、そういうことの周知・徹底があって初めて、アンケートが活きるんですよ。
(古屋総務課長) それもxxさんから皆さんの前で説明されたんですよ。
(三浦政策企画課長) 説明されてます。
(南部労組M) アンケートにしろ、挙手にしろ、その場に管理職がいること自体がおかしいと思いますよ。皆さんが、全部、退席したところで、みんなでアンケートにするか、挙手にするかって話せばいいんじゃないんですか。
(古屋総務課長) そうなると、我々に投票権はないんですか。
(当該) 投票制にすればいいじゃないですか。投票権はあるんだから。
(古屋総務課長) 挙手の段階でも投票権はあるわけですよね。
(当該) だから、その場で挙手すると、職場の力関係から、自分の本意を言える人間は少ないっていうのは想像できるでしょう?
(古屋総務課長) もう一ついいですか。xxさん、説明されてるときに皆さんを見下して話してるんですよ。
(当該) 何それ、全然、関係ない話じゃない。
(南部労組M) 今の話と違うじゃない。関係ない。
(当該) それは、あなたのただの印象じゃない。
(古屋総務課長) 実際そうだもん。
(当該) 実際そうだもんって何よ? アンケートでも取ったのか(笑)
(南部労組M) それは、あなたの主観だよ。
(当該) 主観だろう、完全に。何言ってんだよ。いいの、こんな発言させて。
いや〜、悪かったね「見下して」!(笑)
いい加減にしろよ。主観と印象批判で組合員の個人攻撃するか?団交で。経験上、こういうこと言う職場は争議が拗れるダーティー企業の典型である。それ以上に、こんな劣等感丸出しの発言をして、他の組合員の手前、聞いてるこっちが恥ずかしくなるわ!
O常任理事は古屋総務課長の発言を諌めはしたものの、協会顧問弁護士に民主的な選挙について説明をしていただいてはどうか、とも言っていたが、何で弁護士さんに民主的な選挙についてレクチャー受けなきゃなんないのよ。協会事務局職員も小中学生じゃなく、公職選挙の選挙権・被選挙権を持った成人なんだから、突然言われた弁護士さんも呆れてるんじゃないの?
と、言う訳で、そんな意図見え見えの“アンケート”なんて受け入れる気はない、ということで、組合から公平・公正且つ民主的な投票方法を提案するということになった。
最後に、三六協定締結の際の話に戻り、当該組合員の「意見書」に記した労働者側から三六協定の破棄通告を行うことも有り得ることについては受け入れ難いという協会からの回答があったが、これについては少々言葉足らずであったかもしれないが、協定書に独自に付加すべき条項として使用者側の違背行為等があった場合という含意があり、次回は解る様に文言を明確に付加して再度要求することとする。
この様な遣り取りで、前回団交から実に2年以上ぶりの第9回団体交渉を終えたが、一応、協会としても組合要求を「検討する」とは言っていたが、実質的の決定権限を有する末吉が団交に出て来なければ、また、いつまでも結論・回答をダラダラ引き延ばされて、覆されるかわかったもんじゃない…そして事実、本団交の後、団交にも出て来ないくせに、いけしゃあしゃあと責任者ぶって末吉が職員にこれまでの未払い残業代の「お詫び」をするという恥知らずな行為を行い、本団交での労使合意は覆されることになったのであった。■
† 第9回団体交渉のテキスト反訳をお読みになりたい方は、お名前・所属・目的を明記の上ご連絡ください。PDFファイルをお送りいたします(場合によってはご希望に添えないこともあります)。†
…The end