[職場闘争]第8回団交報告 part 1 〜疑われる協会の労働基本権の理解〜

2017年12月6日(水)、日本知的障害者福祉協会と南部労組・福祉協会との第8回団体交渉が協会事務局の入っているKDX浜松町ビルの2軒隣のイーグル浜松町ビル8Fで行われた。
団交参加者は、協会側はO常任理事・協会顧問弁護士の事務所の代理の弁護士・古屋総務課課長代理の3名、組合側は当該含め4名。当然の事乍ら、我々組合は末吉事務局長と水内事業課課長代理の出席を要求していたが、今回も出て来ない。いつもなら、これについて抗議することから団交が始まるのだが、今回は諸事情により触れずに団交議題に入った。

余談だが、この翌日から2日間、編集出版企画委員会が開かれる。協会組織について詳しくない方に説明すると編集出版企画委員会とは主に月刊誌『さぽーと』の編集企画を行うための委員会で、例年12月に2日間に亘って来年度の年間企画を練るために開催される編集会議である。因みに、これは『愛護(AIGO)』の頃からの伝統の2days編集会議だが、1年間の特集企画を一度に決める必要があるのかいつも疑問に感じている。タイムリーな記事を組むには3〜4ヶ月くらいのスパンで記事構成を考えた方が良いように思うのだが…。この業界の他の雑誌編集者に聞いてもこのようなやり方をしているところはないし、なぜ『さぽーと』がこのような方法を取っているのか、今となっては知る者もいない。

それは兎も角、当該も担当者なので明日からの編集会議に備えて、団交で体力を使い切らずにいくらか余力を残しておきたいのが正直なところ。…だったが、時間こそいつもより短かったものの、そういう訳にも行かなかった。

“ボランティア”で職員を団交に出席させるな

当該が団交出席要求していた水内事業課課長代理が出て来ないことに関してO常任理事に問い質すと、「ここは業務ではないので、要請があったとしても対応できない」との回答。
「業務ではない」…どういう意味だろう? 俄には理解できなかった。では、書記として今出席している古屋総務課課長代理は何なんだ? ということで改めて質問したら、何と驚くべき回答が返って来た。

「ボランティア的に来て、書記をしてくれてます。超過勤務ではありませんので。」

はぁ?  “ボランティア”何だそりゃ。

団体交渉は協会の職場の問題、職員・組合員の労働条件を話し合う労使交渉の場である。我々組合にとっても、協会にとっても「業務ではない」訳がない。本来であれば、団体交渉は就業時間内に行っても構わないものだし、実際に就業時間内に行っている職場もある。

全く呆れたもんだ。団交に協会会議室は使用せず数軒離れた貸会議室を使う、団交の書記は職員を“ボランティア”で無給で使う、事務局の人事労務管理者である事務局長は団交に出ない、我々組合から指摘されて発覚した労基法違反の数々もその経緯は職員には黙ったまま、コソコソと誰にも知られないように団体交渉を行う…など、どう考えても団体交渉の基本、いや労働基本権そのものを理解していないのではないか。
我々組合はこれまでも、このような協会の姿勢を批判し続けて来た。これは組合嫌悪であり、団結権の侵害であると。それを裏付ける協会の組合対応がここでまた一つ明らかになったのだった。権利擁護団体がこんな有様でいいのかね。

都合のいい時だけ「事務局長だから」という二枚舌

第6回団交第7回団交において、2月に起こった水内事業課課長代理の組合員への嫌がらせ行為・不当労働行為の調査と報告を我々組合は協会に求めていた。第6回団交では団交の席上で、その後書面により改めて要求、しかし、第7回団交で明らかになったことは、協会は調査もしていなかったことだった。我々組合は再度の要求を行い、3週間後の10月27日までに報告を行うということで合意した。ところが、10月18日に協会から組合宛に来たメールはこんなものだった。

「貴組合から申し入れのあった『課長代理のハラスメント及び不当労働行為の確認』については、会長のご指示により、より適切に対応するためにxxxxx法律事務所に協力を仰ぎ行うこととしたことを連絡致します。」

「会長のご指示」ねぇ…相変わらず“会長ガー”が通用すると思っている事務局としての主体性の欠片もない回答だな。協会も顧問料支払っているのだから弁護士に協力を求めるは自由だが、自主的な解決の努力をしろと団交でも言ったはずが? まあいいやと半ば呆れて放っておいたが、回答期限間近の23日のメールにはこうあった。

「10月18日に『課長代理のハラスメント及び不当労働行為の確認』の方法について連絡をしたところですが、xxxxx法律事務所とのスケジュール調整及び橘会長へ報告・協議を行うことから、貴組合への結果連絡は11月20日頃となることを連絡致します。」

一方的に回答を1ヶ月近く引き延ばして来た挙句、「橘会長へ報告・協議」などと姑息に策を弄するようなことまで言って来た。余計なことをせずに単に事実を聞き取り、組合に報告すればいいだけの話だ。
そして、11月15日に協会顧問弁護士立ち会いの下に件の調査が行われたのだが、そこに立ち会ったのは協会顧問弁護士だけではなく、末吉事務局長も居合わせたことを調査対象の1人であるI事業課係長から後で聞いた。なぜ、末吉事務局長が立ち合わねばならないのか? しかも、結構主導的に調査に介入していたらしいが、どういうつもりだ?

団交でもこの事実を確認し、不適格な者を調査に当たらせたことに抗議した。O常任理事は言うに事欠いて「事務局長だから」と宣っていたが、事務局長としての職務を遂行しなければならないのなら、団交に出て来いよ! 都合のいい時だけ事務局長とはいいご身分だな。
大体、団交から逃げ回っているような輩が、組合からの要求に応じて行う調査など、まともに行えるはずがなかろう。しかも、水内は兎も角、I事業課係長の上職にも当たる人間がその場にいたなら、適切も客観性もあったもんじゃない。

このように前半戦は協会の組合嫌悪、二枚舌、御都合主義ぶりが際立ったものだったが、part 2ではさらに酷いその調査結果と団交でのやり取りを報告したい。

To be continued…

[職場闘争]第8回団交報告 part 1 〜疑われる協会の労働基本権の理解〜」への2件のフィードバック

  1. H

    ボ、ボランティアですか!?人事労務担当者は参加させずに?
    私の勤める法人にも呆れる事が多いのですが、知的障害者福祉協会はちょっと度を越しているんじゃないでしょうか?
    調査される側が調査に立ち会うのは、調査の体をなしていないでしょう。立ち会わせるならば、調査を要求した組合も立ち会わせなければ、調査の客観性が担保されません。小学生でもわかる事ですよ。協会に限らず、一般常識で考えて筋の通らないことを平然と行なう団体には、何か裏があると思います。宗教か、あるいは政治の力か?

    ゆにおん同愛会 林

    返信
    1. jaidunion
      jaidunion

      くだらないことを散々やって、真っ当な職員を排除していった結果がこれですから。中にいる者としてはこれくらいでは驚かなくなってきますが、実に恥ずかしい。
      しかも、外部の人間でやってきた元秩父学園園長もそれに荷担している状況ですから、闇は深いと言えましょう。

      でも、これで協会が労働組合とか労働者の権利というものにどういう意識を持っているのがよくわかりましたね。
      part 2はもっと見苦しい開き直りが展開されるので、ぜひご覧ください。

      返信

コメントを残す コメントをキャンセル