2019年7月26日(金)、梅雨明け間近の夏空の下、昨年12月の情宣から7ヶ月ぶりに、2016年11月6日の初の現場行動から数えて12回目の協会前情宣行動である。南部労組の仲間、争議団連絡会議・各地域合同労組、5団体・10名に結集して頂いた。
今回の情宣行動は、7月26日(金)〜28(日)の3日間、日本知的障害者福祉協会社会福祉士養成所の第30期生の東京スクーリングが、東京・浜松町の「ビジョンセンター浜松町」(浜松町TSビル)で開催された。スクーリング会場は協会事務局のあるKDX浜松町ビルの裏通りにあり、協会情宣と同時に行えて実に好都合であった。
過去にも情宣行動は社会福祉士養成所のスクーリング会場前で行っている([職場闘争]7・22社会福祉士養成所 東京スクーリング緊急情宣行動〜団交から逃亡中の末吉事務局長を直撃!〜)。ご覧頂ければ解る通り、此の時は会場にやって来た、団体交渉から逃亡し続けている事務局長末吉を取っ捕まえて直接抗議。組合員の姿を見るや此処でも逃げようとするみっともない姿を晒した*。
* 因みに、今回は末吉事務局長は休み。事前に解っていたとはいえ、悪運強いね…。
今回の情宣行動の目的は、協会の此れ迄の労基法違反**や労働者の権利を蔑ろにした行為、その責任逃れ・責任者隠し、不誠実団交、不当労働行為発言等々は、人権と社会正義を基とするソーシャルワーカーの拠って立つ礎「ソーシャルワークの定義」にも悖るもので、「平成元年」から開講の歴史ある社会福祉士養成所を運営する、此の様な協会の実態を、未来の社会福祉士の皆さんに広く知って頂き、「令和の時代」に善きソーシャルワーカーとなって頂きたいということ***。そして、養成所30期生の皆さんには勿論のこと、地域の労働者の方々、協会事務局職員へ、2019年6月6日(木)に行われた不当労働行為救済申立・日本知的障害者福祉協会事件の審問報告を行うことであった。
** 現在、法令違反は一応是正されている。
*** 「平成」だの「令和」だのと書いているが、これは嫌味である。
養成所30期生の皆さんには授業に影響が出ない様、9:30までの情宣行動とし、トラメガの音量にも配慮して、静かにビラ撒き・マイク情宣を行った。情宣で訴えた内容は以下の通り。
私たちは組合員の組合加入の2016年以降、協会と団交を重ね、これまで就業規則のデタラメな変更経緯や三六協定未締結の違法残業を暴いて来ました。2013年の就業規則が変更された際に、協会は労基法で定められた手続きも無視し、しかも周知もされなかった。これは明らかな労働基準法違反です。このことに私が強く抗議したら、今の事務局長の末吉、当時事務局次長が逆ギレして私に掴みかかってきて、他の職員の前で1時間以上にわたって暴言を浴びせ、吊るし上げを行いました。これについて団体交渉で事実確認と経緯説明及び謝罪を末吉事務局長に求めたのですが、言い逃れができないと踏んだ末吉事務局長は、2016年7月の第3回団交から着任したばかりで何も知らないO常任理事と各課長代理連中を自分の身代わりに出席させて、組合との団体交渉から逃亡****して現在に至っております。
**** 協会は“会長ガー”と言い張っているが、事務局長としての職責の自覚があるならば出て来るはず。よって、職責放棄の逃亡と言わせてもらう。末吉は2019年5月22日の東京都社会福祉協議会知的発達障害部会の総会で、協会のこの事情を知っている参加者に、団体交渉に出て労使で話し合いをしたらどうかと突っ込まれ、「組織的な決定なので」と白々しいことを言っていた様だ。(呆)
また、2017年2月に水内事業課課長代理は組合員の起案文書を勝手に破棄するという暴挙に出たことを、私たちはこれまでの水内事業課課長代理の組合嫌悪・組合敵視、組合員排除言動から裏付けられる組合員に対する不利益取扱いとして調査を求めました。しかし、その回答は「業務に関しては、担当ラインとして適正に処理された」という呆れた回答でした。どこの職場で起案者に無断で起案文書を破棄し、同一起案文書を勝手に作成し直して決裁を得る管理職がいるのでしょうか? 嫌がらせ・組合員排除の悪意がなければできない行為です。
責任者の逃亡を許し、また、子どもだましの調査で、責任逃れのために見苦しい言い訳に終始する協会に、私たち組合は不誠実団交と支配介入、不利益取扱いで東京都労働委員会に不当労働行為救済を申し立てました。私たちの申立書に対する協会の答弁書には末吉事務局長が団交に出席しない・できない理由として、組合が団交で乱暴な発言をして糾弾に及んだかのような、全くの事実無根の虚偽理由が書かれており、唖然とするような内容が満載でした。
都労委調査で驚き呆れたのは、ただいまお配りしている情宣ビラ(『JAID UNION NEWS No.12』)にも書いてありますが、組合員が暴行を受けたといいながら、病院で診断書を取ったり、警察に被害届を出さなかったから、そのような暴行の事実はなかった、さらに、協会は組合員がヒゲを生やしているから業務外しをされても当然という珍論・奇説や人権無視の暴論を開陳するなど、実にトンデモない主張を行ったのでした。これには労働委員会の委員も呆れ、困った顔をして「協会はそんなこと言っていますが、気にしないでください」と組合員をなぐさめる言葉をかける始末でした。
このように人権や権利擁護に鈍感な協会ですが、福祉の根本には弱い立場にある人たちの権利擁護が大前提としてあります。国際ソーシャルワーカー連盟(International Federation of Social Workers)の「ソーシャルワークのグローバル定義」(Global Definition of the Social Work Profession)には、「ソーシャルワークは、社会変革と社会開発、社会的結束、および人々のエンパワメントと解放を促進する、実践に基づいた専門職であり学問である。社会正義、人権、集団的責任、および多様性尊重の諸原理は、ソーシャルワークの中核をなす」とあります。協会はよってたかって一人の労働者の訴えを潰し、排除しようとするなど、協会は労働者の権利について無知なばかりか、ソーシャルワークの基本的理解すら怪しいと言わざるを得ません。真剣に社会福祉士・ソーシャルワーカーを目指して、日々勉強をしている社会福祉士養成所の学生さんに対して自分たちがやっていることが恥ずかしくないのでしょうか。
都労委ではこれまで9回の調査が行われました。途中、和解の道を探れないかと提案がもたれましたが、先程もお話ししたような調子で、協会の論点のすり替えや意味不明な弁解、これまでの団体交渉で積み上げてきた団交ルールを破壊するような和解提案で、到底受け入れることができないものでした。過去のことを不問に伏してくれと言われても、協会がこれまでの不誠実な対応や組合嫌悪・組合敵視姿勢を真に反省しない限り、和解協議は困難です。結局、一旦和解は決裂し、6月6日の審問(証人尋問)で、私たちは、末吉事務局長の暴行パワハラの事実と協会の不誠実団交、水内事業課課長代理の支配介入・不利益取扱いの実態を徹底的に暴き、証言しました。それに対して協会の証言(O・水内証人)は、問題のすり替えと苦しい言い訳、場当たり的なウソでその場をやり過ごすことしかできませんでした。
さらに呆れたことに、末吉事務局長は事務局長という職責にもかかわらず、これまでただの一度も労働委員会に姿を現していません。審問にも最重要証人である末吉事務局長を出さないように策を弄する協会には呆れるばかりですが、現在、私たち組合は都労委に再証人申請を申し立てています。都労委での闘いは大詰めを迎えています。今後ともご支援よろしくお願いいたします。私たちの活動はビラに記載してあります組合掲示板ブログに詳しく掲載しておりますので、ぜひご覧になってください。
最後になりますが、不当解雇やハラスメント、残業代未払いなどがない労働環境は労働者が声を上げない限り、改善されることはありません。これから社会福祉士・ソーシャルワーカーとなって困難に直面している人びとの命や生活を根幹から支える、みなさんの貴重な働きに対して、より社会的評価を上げなければなりません。
NPO法人ほっとプラスの闘うソーシャルワーカー・藤田孝典氏は近著の『闘わなければ社会は壊れる 〈対決と創造〉の労働・福祉運動論』(岩波書店 2019)の中でこのように述べています。「権利侵害か否かを考える余裕もないほど、ワーカーや支援者自身が追い詰められている職場環境がある」「今の社会福祉は福祉労働者がクライエントの問題以前に、自分たちの労働問題を含めた働き方を変えなければ成立しない」、そして、ソーシャルワーク実践の一つであるソーシャルアクションを重視し、ミクロレベルの福祉実践によるクライエントの生活課題の一部の改善だけではなく、軽視されてきた社会変革の実践と運動のために、クライエントのためにもワーカーのためにも労働組合など福祉専門職以外の人々とネットワークを構築し、連帯する必要性を説いています。
みなさんも、日本知的障害者福祉協会事務局の労働実態を反面教師として、みんなで連帯して参りましょう。今よりも誇りを持って、自信を持って働き続けられる職場になるように私たちと共に仲間作りをしようではありませんか!
お仕事と勉学の両立は大変なことと思います。3日間のスクーリングがんばってください!
最後にシュプレヒコールで締め括った。
シュプレヒコール!(よし!)
福祉協会の不誠実団交を許さないぞ!
組合員排除を許さないぞ!
末吉事務局長の責任を追及するぞ!
末吉事務局長は団交から逃げるな!
末吉事務局長は団交に出て来い!
シュプレヒコール!(よし!)
障害福祉の前進を勝ち取るぞ!
社会保障の充実を勝ち取るぞ!
全国の福祉協会会員と共に闘うぞ!
全国の福祉労働者と共に闘うぞ!
全国の障害のある仲間と共に闘うぞ!
シュプレヒコール!(よし!)
南部労組・福祉協会は闘うぞ!
都労委闘争に勝利するぞ!
職場闘争に勝利するぞ!
南部労組・福祉協会は闘うぞ! 勝利するぞ!
闘うぞ! 闘うぞ!! 闘うぞ!!!
さて、この様に7・26情宣をやり抜いたのであったが、情宣行動途中から、当該がKDX浜松町ビル正面玄関前からビジョンセンター浜松町に場所を移したところ、いつも組合情宣行動の際に、ちょろちょろと外に出て来て協会管理職に通報している、協会職員某がいた。「何やってんの?」と聞くと、「いや、見てるだけ…」と答えたので、情宣ビラ数枚を渡したら、事務所に戻って行った。組合嫌悪・組合敵視著しい協会管理職の覚え目出度く、こんなことをしているのかどうか判らないがが、『史記』にある“狡兎死して良狗烹らる”という言葉を知っているか?
また、事務所で仕事をしていたら、スクーリング会場から事務所に戻って来た社会福祉士養成所教員某が「xxさん(当該のこと)、仕事の妨害はやめてください」と苦情を言って来た。「仕事の妨害なんてしていませんよ。正当な組合活動です」と答え、一蹴。足元の課題解決の為に、文句を言うなら協会に言いなさいよ。本日訴えた様に、正に“灯台下暗し”じゃないのか?
こんな出来事もあったが、情宣ビラの受け取りも良く、用意した120枚のビラも撒き切り、組合情宣行動としては大きな効果を実感した。
協会の対応が変わらない限り、何時でも何処でも最大限の効果と圧力を与える行動に打って出る用意があるので、そのつもりでね。■
…The end
†(2019.9.20追記)当初「『史記』にある“狡兎死して走狗烹らる”という言葉を知っているか?」と記していたが、協会からの抗議・申し入れによると、どうも「走狗」という言葉が気に入らないらしい。“木を見て森を見ず”の言いがかりとしか思えないのだが、そんなに「走狗」が嫌なら、温情的措置として「良狗」に書き換えた。意味は「走狗」だろうが「良狗」だろうが「猟犬」だろうが、加えて謂うなら「良弓蔵らる」だろうが何ら変わりは無い。当初の顛末とこの故事成句の本来的意味はこちらの記事をご覧あれ(この件の顛末はこちらの記事を参照)。又、組合情宣の記録写真に写り込んだ前述の協会職員某にも個人を特定できないようにモザイク処理を施した写真を掲載していたが、協会の申し入れも勘案し、同様の措置として削除した。†